Googleが無線LANの通信内容を傍受、手違いを認め謝罪

Googleのストリートビュー車両が、Wi-Fi経由でやり取りされている情報を誤って収集していたことが分かった。

» 2010年05月17日 07時05分 公開
[ITmedia]

 米Googleは5月14日の公式ブログで、ストリートビューのための情報収集において手違いがあったと謝罪した。ストリートビューの情報収集を行う同社の車両が、無線LANの通信内容を誤って収集していた。

 ストリートビューの車両は、地図と合わせて表示する街角の写真を撮影している。撮影と併せて、位置情報関連サービスに利用する目的で無線LANのネットワーク情報を収集していたという。

 同社は4月時点で、「ストリートビュー車両ではSSIDやMACアドレスなどのWi-Fiネットワーク情報を収集しているが、ネットワークを介して送受信されている情報(ペイロードデータ)は収集していない」と説明していた。

 ところがドイツの情報保護機関からの監査要請で改めて調べ直したところ、パスワードで保護されていないWi-Fi接続経由で送受信されたペイロードデータを、誤って収集していたことが分かったという。

 同社は、2006年に実験的なプロジェクトのためにWi-Fiのペイロードデータを収集するコードを開発した。2007年にこのコードがストリートビューの車両で使うWi-Fiネットワーク情報収集ソフトウェアに手違いで入り込んでしまったのが原因だと説明している。

 問題に気付いた時点で、Googleは収集した情報を同社のネットワーク上で隔離し、アクセスできなくする措置を取ったとしている。また、できるだけ早く廃棄すべく、各国の当局と連絡を取っているところだという。「手違いで収集したデータはごく断片的なものにすぎず、こうしたデータをGoogleの製品に利用したことはない」と同社は強調している。

 「ユーザーの信頼を保つことはGoogleにとって不可欠だ」としている同社。しかし、今回のケースでは配慮が及ばなかったことを認め、第三者に問題のソフトの調査を依頼し、再発防止のために社内でも手順を見直すとしている。また、今後ストリートビュー車両でWi-Fiネットワーク情報を一切収集しないと宣言した。

変更履歴……(2010年5月17日午前7時30分)初出で「WiFi」とありましたが、正しくは「Wi-Fi」です。訂正のうえ、深くお詫び申し上げます。

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