Google、中国版サイトのアプローチ変更 政府の圧力で

Googleは検閲対策として、中国版サイトから香港版サイトへユーザーを自動的にリダイレクトしていたが、中国政府がこの手法に難色を示したという。

» 2010年06月30日 07時00分 公開
[ITmedia]

 米Googleは6月28日、同社の中国版サイトに変更を加えると発表した。中国政府の圧力を受けて、香港版Googleへの自動リダイレクトを終了するとしている。

 同社は3月から、政府の検閲を理由に中国版検索サービスGoogle.cnを停止した。現在は同サイトにアクセスしたユーザーを香港版のGoogle.com.hkに自動的にリダイレクトしている。香港版では、検閲なしの検索結果を提供している。

 しかし中国政府がこの手法に難色を示し、リダイレクトを続ければ、Googleのインターネットコンテンツプロバイダー(ICP)免許を更新しないという意向を明らかにしたという。ICP免許は中国で商用Webサイトを運営するのに必要なもので、これがなければGoogle.cnは消滅する。Googleは6月30日にICP免許の更新を予定している。

 Google.cnの消滅を避けるため、Googleは自動リダイレクトをやめて、ユーザーをGoogle.cn内のランディングページに誘導する。このページは香港版Googleにリンクしており、またGoogleが中国国内でフィルタリングなしで提供できる音楽検索や翻訳機能などのサービスも利用できる。既に一部ユーザーをこのページに誘導しており、数日後には自動リダイレクトから完全に移行する。併せて、この変更に基づいてICP免許の更新申請を再提出するという。

 「当社は中国も含め、あらゆる場所にいるユーザーが情報を入手できるようにすることを目指している。そのため、Google.cnを維持し、中国での研究開発を継続しようとしてきた」とGoogleは述べている。同社は、今回の新たなアプローチは「自主検閲をしないという公約」にも「現地の法律」にもかなったものだとしている。

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