資生堂、基幹業務にSAPを導入――NECが支援導入事例

資生堂はNECの支援のもと、基幹業務領域にSAP ERPの導入を進めている。海外拠点を含めたガバナンス強化を図るという。

» 2010年10月27日 19時13分 公開
[石森将文,ITmedia]

 資生堂は、アジア、欧州、米国などへの事業拡大に伴う経営基盤の確立のため、基幹業務領域(販売・物流・生産・会計など)にSAP ERP 6.0を導入する。同製品のグローバルへの展開および運用を支援するNECが、10月27日に公表した。

 NECの支援内容は、「業務プロセス標準」「コードなどのデータ標準」「業務評価指標(KPI)」に基づいた、システム展開時における標準化支援および稼働後の運用支援となる。NECは資生堂の情報企画部門や、各業務部門とともにこれらの取り組みを進めており、支援に当たっては自社およびユーザーに対するSAP ERPのSIノウハウをフィードバックしているという。

 具体的には、資生堂の情報企画部門と業務部門から人員を抽出して構成される「標準化維持チーム」の一員にNECが参画し、(資生堂の)海外各社から起案されたシステム変更要求に対して、業務プロセスごとにその妥当性を評価し、他地域や本社と調整しながら対応している。システムの妥当性を判断する際には、グローバルレベルでの統一ルールや運用フローを定義し、その要求レベルがグローバル/リージョナル/ローカルのどのレベルなのかを判断する体制も整備した。NECでは「システム展開・運用における資生堂内の“コミュニケーションハブ”となり、標準化に対する強力なガバナンスを発揮させるべく支援している」としている。

 資生堂はSAP ERPの導入を契機に、日本を含む海外各拠点の情報化体制も見直す。各地域内での責任や権限を再配置し、また基幹業務システム以外のIT資産も集約する計画。グローバルレベルでのIT業務改革を行い、各地域でのガバナンス強化につなげるという。

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