米IDCのアナリスト、アル・ヒルワ氏が米eWEEKに語ったところによると、コンシューマーは新しいものを試したがっており、優れたコンテンツと使い勝手を備えた革新的なアプライアンスを適切な価格で投入するのは今がチャンスだという。
「ただしこれが爆発的に成功するかどうかは、実物を触ってみるまで判断を控えたい」とヒルワ氏は語る。
「わたしの直感では、この製品が適した用途もあるような気がする。しかしAppleとMicrosoftがPC分野において使い勝手に関して高い基準を設定したため、汎用型のプラットフォームが割り込むのは容易ではないだろう」(同氏)
米Forrester Researchのアナリスト、チャールズ・ゴルビン氏はeWEEKの取材に対し、「Nexus OneとChrome OS Netbookを投入する狙いは異なるのかもしれない」と述べた。「Nexus Oneでは、Googleはキャリアの役割を低下させることによって携帯電話市場に揺さぶりをかけたかったのだ」
「既にコンシューマーはほかの小売り製品と同じようにNetbookを購入しており、この分野でキャリアの果たす役割は非常に小さい。当社の調査によると、Netbookオーナーのうちキャリアから購入したのはわずか6%にすぎない。このため、Nexus Oneと同じ狙いは今回には当てはまらないようだ」とゴルビン氏は指摘する。
ゴルビン氏によると、いずれにせよ、GoogleがChrome OS搭載Netbookを売りたいのであれば、充実した技術サポートを提供する必要があるという。最初にこの製品を購入するのは、非常に技術志向の強いバイヤーだと予想されるからだ。
「バイヤー層が一般ユーザーに拡大していけば(もしそうなればだが)、UI(ユーザーインタフェース)とハードウェアを直接体験できる物理的な小売店が存在しないことが大きな問題になってくるだろう」と同氏は付け加える。
Googleとコンピュータメーカー各社がChrome OS搭載Netbookの販売を促進するに当たっては、もう1つの障害がある。タブレット型コンピュータの存在だ。AppleのタブレットコンピュータiPadが大ヒットしたため、韓国のSamsung、仏Archos、米ViewSonicなどのメーカーはモバイルコンピューティング分野に参入しようとAndroid搭載タブレットを投入した。
タブレットは既にNetbook市場を浸食し始めており、Chrome OSマシンがホリデーシーズンのヒット商品になる保証はどこにもない。
企業向け情報を集約した「ITmedia エンタープライズ」も併せてチェック
Editorial items that were originally published in the U.S. Edition of “eWEEK” are the copyrighted property of Ziff Davis Enterprise Inc. Copyright (c) 2011. All Rights Reserved.