極めてあいまいな“左”と“右”電子ブックレットダウンロードランキング(12月17日〜12月23日)

ITmedia エンタープライズで過去注目を集めた記事を、PDF形式でお送りする「ITmedia エンタープライズ電子ブックレット」。この1週間で最も多くダウンロードされたのはどのブックレットだったのか、ランキング形式でまとめてみました。

» 2010年12月24日 16時39分 公開
[鈴木麻紀,ITmedia]

 今週も『悲しき女子ヘルプデスク物語』が1〜3位を独占です。もはや殿堂入りの域、芸能人ブログのしょこたん、ベストジーニストの草なぎ剛さん、女性誌「an・an」嫌いな男ランキングの出川哲朗さんのように不動の位置を築いたようです。

 ヘルプデスクっていろいろな苦労があるよね、と考えていたら、社内ヘルプデスクに従事していたある女性のことを思い出しました。ある日彼女の職場を訪問したところ、デスクのモニターの左右に“左”“右”と書いてある丸い紙が貼ってありました。なぜそのような紙を貼っているのか聞いてみると、

 「私、時々左右が分からなくなるんです」

 とのこと。何を言い出すのかと不思議に思っていると、彼女は私と向かい合わせに立って、話を続けました。

 「東西南北は絶対ですよね。天地も絶対です。でも左右は相対、その人の状況によって変わるんです。こうやって向かい合っているとき、鈴木さんの“右”は私にとっては“左”。でも私がこうやると(と言いながら、体の向きを右に90度替えて)、今度はさっきまで“前”だったものが“左”になるんです」

 なるほど、話を聞いているうちになんとなく理解できました。彼女は電話でのサポート以外に、社内講習の講師をすることもありました。講習で相対するとき、彼女とユーザーの左右は逆なのだけれど、モニターの中の左右の概念は変わらない。プロジェクターの画面を指しながら、「“左”のボタンを押してください」と言いつつ、自分にとっては“右”の方に手を伸ばすこともある。だからと言って、いつもユーザーと自分の左右が逆かと言うと、電話でサポートするときはモニターの中の左右はユーザーと同じ。

 そんなことを繰り返していると、左右の感覚がおかしなことになってしまうので、どちらが“左”でどちらが“右”か忘れないように、自席のモニターに“左”“右”の札を貼っていたというわけなのです。

 彼女の話を聞いているうちにだんだん私も混乱してきました。今まで“左”だと思っていたものは本当に“左”なのか、りんごは本当にりんごなのか、海は本当に海なのか、他の信じて疑わないできたものも実はそうでは無いのではないか、そもそも私は私では無いのかもしれない……そんな不思議な感覚になりました。

サーバールームで初詣で(クリスマスも、バレンタインも、誕生日も)〜『悲しき女子ヘルプデスク物語 vol.1』より

 今年の「ITmedia エンタープライズ電子ブックレット」の更新はこれにて終了。年明けは1月11日からスタートです。今年も1年お世話になりました。2011年もよろしくお願いいたします。

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