ソーシャルはゲームを変える好機、経営陣の関与が成否を分けるLotusphere 2011 Orlando Report(2/2 ページ)

» 2011年02月02日 08時29分 公開
[浅井英二,ITmedia]
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ソーシャルは避けるリスクではなく管理するリスク

State Streetのウェルチ氏(左)とCEMEXのガルシア氏

 IBMに続いてステージに招き上げられたのは、世界有数のセメント会社であるCEMEXとマサチューセッツ州ポストンの大手金融機関であるState Streetだ。

 メキシコのCEMEXでイノベーションディレクターの肩書を持つジルベルト・ガルシア氏は、ソーシャルを導入し、透明性が高く、イノベーションへのインセンティブを明確にすることで、市場のニーズをつかみ、迅速に解決策を見つけ出す企業へと変えることができたと話す。

 「ソーシャルの活用はリスクもあるが、機会もある。ソーシャルによって何を達成するのか、経営陣が明確に示し、関与することが成功のためには欠かせない」とガルシア氏。

 日本でも大手機関投資家に金融サービスを提供しているState Streetは、米国の建国からわずか十数年後に設立された老舗だ。世界27カ国で2万7500人の社員が働く。同社でブランディングと生産性に責任を持つグレッグ・ウェルチ氏は、さまざまな部署でソーシャルメディアの活用は効果をもたらすが、顧客に対しては1つのブランド、1つの顔として顧客から見えるようにすることが重要だと考える。

 「ソーシャルの活用でチャンスは広がる。懸念の声もあるが、本質的には問題はこれまでと変わらない。ルールをどう作るかだ。避けるリスクではなく、管理するリスクと捉えるべきだ」とウェルチ氏。

 会期中、IBMでソーシャルソフトウェアを統括するジェフ・シック副社長に話を聞いたが、「ソーシャル」という呼び名が生まれるずっと以前からLotusは、人と人をつなぎ、情報を適時・適切に共有できるソフトウェアを開発してきたとする。

 「ソーシャルは、人のネットワークを活用し、ビジネスに価値をもたらすもの。全く新しいものではなく、コラボレーションの進化形と捉えるべきだ」とシック氏は話してくれた。

 シック氏はまた、CEMEXやState Streetと同様、ソーシャル活用の成功には「経営陣の支援」が欠かせないとする。それはソーシャルの活用が企業の文化に深く関わるものだからだ。

 なお、今年のLotusphereでは、エグゼクティブを対象とした「Social Business Industries Symposium」を初めて併催し、インダストリーごとにブレークアウトセッションも行われている。

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