SNSってのは多様な価値観の存在をあらためて認識し、それを受け入れるための壮大な実験室なんじゃないかな?と思ったり。
荒れるApp Storeのレビュー、そしてTwitter上で展開される不毛な「議論」に見るソーシャルと呼ばれるものの限界についてちょっと考えてみる:THE SHOW MUST GO ON
Twitterも相変わらず人気だが、やはり、いま最も注目されているのはFacebookではないだろうか。ビジネス利用に関するエントリーもいくつか見られる。
ブロガー | ブログ | Facebookのビジネス利用 |
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小林啓倫氏 | 「シロクマ日報」 | 「新聞社のウェブサイト」が無くなる日 |
林雅之氏 | 「『ビジネス2.0』の視点」 | Facebookページを活用する自治体のまとめ 他(2011年2月28日現在) |
山本大輔氏 | 「山本大輔のRoad to Evangelist」 | ソーシャルメディアをビジネスにどう活かすのか |
渡辺泰宏氏 | 「太平洋の向こう側」 | Facebookページを利用した番組プロモーション |
中でも小林啓倫氏「シロクマ日報」の「新聞社のウェブサイト」が無くなる日では、オリジナルのWebサイトの更新を停止して、Facebookのみを更新することにした新聞社のケースが紹介されていて、興味深い。すべてがFacebookで展開されるかどうかは別にしても、ビジネスユースのFacebook利用が増えていくことは間違いなさそうだ。
さらに小林啓倫氏の知恵袋としてのFacebookでは、Facebookの新たな使い方が模索されている。最近、とある事件から「Yahoo!知恵袋」が注目を集めたが、小林啓倫氏はFacebookを知恵袋的に活用し、成功を収めたという。
Facebookを単なるSNSとしてではない使い方をするということは、松井真吾氏「IT向上化計画」のfacebookのSNSじゃない使い方/あるいは情報強者になるためのたった一つのクールなやりかたでも紹介されている。「コンテンツリーダーアプリケーションとしてのFacebook」だ。
そして、注目したいことがある。何もFacebookだけの話題ではないのだが、岩永慎一氏の荒れるApp Storeのレビュー、そしてTwitter上で展開される不毛な「議論」に見るソーシャルと呼ばれるものの限界についてちょっと考えてみるで書かれた内容で、「その場は誰のモノか、誰が管理するのか、そしてその権限はどこまで及ぶのか」ということだ。そして、Facebookなどは、「外国籍のサービスで、そこには日本的なルールはない『社会』」であるという現実だ。SNSにしろ、昔のパソコン通信にしろ、そこにはその場のルール(ローカルルール)が存在する。そしてそれは自分たちのルールと相反する場合もある。「SNSってのは多様な価値観の存在をあらためて認識し、それを受け入れるための壮大な実験室なんじゃないかな?と思った」という言葉に思わず頷かされた。
「友達」という関係に潜む2つの機能が、論争を招いてしまっている一因ではないかと思います。
オルタナブロガーの間で「友達」について論議が交わされた。発端は、上田修子氏「実践!SixDegree」のFacebookの友達解除は街で配られているビラを捨てるようなものというエントリー。「津田大介さんが『Facebookで友達削除するのは、名刺を目の前で破り捨てられるのと同じ、と言われて非難された』と語っていましたが、そもそも、なにも接点がない人が一方的に友達リクエストしてきて、それを承認するという行為は、街でビラを受け取るようなものではないでしょうか?」と始め、「興味がなくなれば、ゴミばこにポイで問題ないと思います。(中略)興味の持てないプロフィールや近況発信をしている人とつながっていても意味がありません」とし、「私は、RSSを解除するくらいの感覚で、Facebookの友達削除や、Twitterのフォローを外して構わないと思います」とまとめた。
これを受けて、坂本英樹氏「坂本英樹の繋いで稼ぐBtoBマーケティング」のFacebook という社会的繋がりツールで縁を切ることというエントリーが書かれた。ここでは、「ツールの使い方人それぞれとは思いますが、社会的関係、つながりの再構築ツールだと思うFacebookで、街角からビラを受け取るように知らない人からの友達リクエストを承認するというのは驚き」とし、「知らない人からのFacebook友達リクエストを街角でビラを受け取るように、承認するというのは、社会的つながり再構築ツールとしてのFacebookの使い方の『作法』に外れた行為」と断じた。
これに対して上田修子氏のfacebookのお作法?!は、「人それぞれの使い方、楽しみ方があるので、利用規約の範囲内で自由に使えばいいと思います。唯一、心配なのは外国からのログインです。友達の写真を提示されて、誰かあてられなかったら、アカウントがロックされる可能性もあると聞きますので、そのリスクくらいでしょう。これも、自己責任で覚悟すればいい話」と返した。
そもそも、「友達」というから誤解や語弊が生じるのかもしれない。
小林啓倫氏のソーシャルメディアにおける「友達」とは何かでは、「『友達』という関係に潜む2つの機能が、論争を招いてしまっている一因ではないかと思います。それを解除することで消えるものが何なのかを理解した上でないと、議論がかみ合わないままになってしまうでしょう。あるいはFacebookもTwitterのように『友達』ではなく『フォロー』などのような表現をしてくれると良いのですが……」とまとめられている。
Facebookはさまざまな機能を改善させながら進化しているため、「友達」についても今後何かしらの変更があるかもしれない。もちろん、岩永慎一氏の言うように、「外国籍のサービスで、そこには日本的なルールはないという『社会』」なのだから、何も変わらないかもしれない。ここは利用するわれわれ自身も、考えていくべきかもしれない。
以上、2月24日〜3月2日にかけてオルタナティブ・ブログへ投稿されたエントリーの中から、筆者が気になったものを選んで紹介させていただいた。本稿からオルタナティブ・ブログに興味を持たれたならば、ぜひほかのエントリーにも目を通していただきたい。
先述のように、この3月からオルタナティブ・ブログの歩き方というナビゲーションページが新設された。オルタナティブ・ブログをどこから読んでいいか分からないという読者は、ぜひ活用してほしい。
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