ミドルウェア製品で高速データ処理を実現 オラクル

日本オラクルがミドルウェア製品に関する説明会を開催。併せてJava SEの新製品を発表した。

» 2011年07月01日 19時10分 公開
[伏見学,ITmedia]

 日本オラクルは7月1日、同社のミドルウェア製品に関する記者説明会を開催した。現在の製品ラインナップを紹介したほか、Java SEの新製品が発表された。

 オラクルのミドルウェアにおいて、中核となる製品がJava EE(Enterprise Edition) アプリケーションサーバ「Oracle WebLogic Server」だ。同製品は元々、BEAシステムズが提供しており、2008年に同社をオラクルが買収したことで、特に「Oracle Database」やシステム全体を一元管理する「Enterprise Manager」との連携が強化された。加えて、2010年、サン・マイクロシステムズとの経営統合により、Javaとの連携によるミッションクリティカル機能の強化が図られた。

日本オラクル Fusion Middleware 事業統括本部 ビジネス推進本部 シニアディレクターの清水照久氏 日本オラクル Fusion Middleware 事業統括本部 ビジネス推進本部 シニアディレクターの清水照久氏

 WebLogic Serverの強みについて、日本オラクル Fusion Middleware 事業統括本部 ビジネス推進本部 シニアディレクターの清水照久氏は「大量のデータをリアルタイムで処理する高速性と、高度な耐障害性や運用管理性といったミッションクリティカルなサービス基盤としてユーザーのニーズに応えることができる」と力を込めた。

 WebLogic Serverの高速性を実現する技術の1つとして挙げられるのが、インメモリ・データグリッド製品の「Oracle Coherence」である。これは複数のサーバで仮想的な共有メモリ領域を確保し、大量データを高速処理できるというもの。データへのアクセスが増えてもデータベースの負担を分散して処理することが可能だ。同社によると、Eコマースや金融、通信など、今後さらに扱う情報量が増えていく分野にOracle Coherenceは効果を発揮するという。既に、楽天証券やNTTぷらら、全日空空輸、ヨドバシカメラなどで具体的な導入実績を持つ。

 こうしたミドルウェアを支える開発言語がJavaである。今回新たにオラクルはJavaに関する新製品を発表した。無償で提供する「Java SE」は、Java SEライブラリ、Java SEツールキット、アプリケーション実行基盤のSun JVM(Java仮想マシン)に加えて、高性能と安定稼働のためのJavaプラットフォームであるOracle JRockit JVMも無償で提供する。メンテナンス期間は従来通り約3年間としている。

 有償製品としては「Java SE Support」と「Java SE Advanced」、「Java SE Suite」をリリースする。Java SE Supportは、Java SEに加えて、過去バージョンのサポートやセキュリティ対策、新OSなどへの対応を行う。Java SE Advancedは、Java SE Supportに加えて、Javaアプリケーションの障害解析、運用管理ツール「JRockit Mission Control」や、アプリケーションの動作データを常時記録する「JRockit Flight Recorder」といった機能を備える。Java SE Suiteは、Java SE Advancedに加えて、ミッションクリティカルなシステムでJavaアプリケーションを高速かつ安定稼働させる「JRockit Real Time」を付加機能として持つ。これらの製品は7月中旬から提供していく。

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