北大、国内最大規模の学術クラウドシステムを日立製作所と共同提供へ

北海道大学情報基盤センターは、国内最大規模の学術クラウドシステム「北海道大学アカデミッククラウド」を構築。11月1日よりサービスを開始すると発表した。

» 2011年10月31日 16時26分 公開
[ITmedia]

 北海道大学情報基盤センターは10月31日、今年4月から構築してきた国内最大規模の学術クラウドシステム「北海道大学アカデミッククラウド」が完成し、全国の大学研究者らを対象に11月1日からサービスを提供すると発表した。

 北海道大学アカデミッククラウドは、学術用途ならびに研究支援を目的としたシステムになる。170テラフロップスを超える演算性能を有するスーパーコンピュータシステムとともに運用されるもので、全国共同利用施設として、オンデマンドで利用できる仮想サーバや、複数の計算機をまとめたクラスタパッケージによるMPI環境、Hadoopなどの分散処理環境、さらにクラウド形態(IaaS/PaaS)でのオンラインストレージやブログなどの利用環境が提供される。

 具体的なサービスメニューとしては、OSやミドルウェアのほか、ブログやWikiなどの各種アプリケーションを含めて利用できるサービスとして、冗長化構成により高い信頼性を実現している「ホスティングサーバ」や、OSやミドルウェアなどを利用用途に応じて自由にカスタマイズできるサービスで、冗長化構成を省き仮想サーバを安価に提供するとともに、クラスタ化を可能とした「プロジェクトサーバ」の2種類が用意される。

 利用希望者は、情報基盤センターのポータルページから利用申請をすることで、研究に必要な仮想サーバの利用を簡単、かつ迅速に始めることができるという。

 北海道大学アカデミッククラウドは、日立製作所が日立クラウドソリューション「Harmonious Cloud」のプライベートクラウドソリューションを活用して構築された。統合サービスプラットフォーム「BladeSymphony」のハイエンドモデル「BS2000」114台を演算ノードに利用し、40テラフロップスを超える総合理論演算性能を実現しているという。また仮想ファイルプラットフォーム「Hitachi Virtual File Platform」やミッドレンジディスクアレイ「Hitachi Adaptable Modular Storage2000シリーズ」をストレージシステムに利用し、760テラバイトの実効総容量を備えるとしている。

図 「北海道大学アカデミッククラウド」を提供するシステム群

 また、スーパーコンピュータシステムは、POWER7プロセッサーを搭載した日立のスーパーテクニカルサーバ「SR16000 モデルM1」を利用することで170テラフロップスを超える演算性能を実現しており、クラウドサービスの利用者は同スーパーコンピュータシステムの利用も可能となるという。

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