国立病院機構、仮想化技術で呉医療センターの医療情報システムを全面刷新

シンクライアントの採用で、電子カルテと情報系システムの共同利用が可能になった。

» 2011年11月24日 12時17分 公開
[ITmedia]

 国立病院機構と富士通は11月24日、呉医療センターの医療情報システムを仮想化技術で全面的に刷新したと発表した。電子カルテシステムと情報系システムのアプリケーションにクライアント仮想化を採用し、1台の端末で両システムを同時利用できるシステムになった。

 新システムは、富士通の電子カルテシステム「HOPE/EGMAIN-GX」を中核にして、約35部門のシステムを連携させて構築した。電子カルテシステムと情報系システムは、セキュリティを確保するため仮想的に分離、管理している。システムを利用する際には、端末にICカードをかざして認証を行い、以降はシングルサインオンで2つのシステムにアクセスできる仕組み。これにより、電子カルテとWebブラウザやメールなどのアプリケーションを同一の端末でセキュリティを確保しながら利用できるようになった。

 また「ユーザー・ローミング機能」も提供し、例えば、外来診察室で電子カルテを参照しながら文書を途中まで作成し、後で病棟のナースステーションで別の端末を使って作業を継続するなどの利用が実現した。特に医師は施設内での移動が多く、業務の効率化を図ることができるという。

 このほかに、運用管理の一元化や設置スペースを節約によって、コストを従来に比べ約6割削減し、二酸化炭素の排出量もサーバで約6割、端末で約7割それぞれ削減させることが可能だという。

 従来システムは、電子カルテシステムと情報系システムが独立したネットワークで管理され、端末を使い分けたり、同一の情報を別々のシステムに入力したりする手間があったほか、システムの二重管理など業務も煩雑化していた。

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