制御システムのセキュリティ対策に不安な管理者、4割が「具体策が不明」と回答

トレンドマイクロが工場などの制御システムの管理者を対象にセキュリティ意識調査を実施している。

» 2012年08月23日 17時28分 公開
[ITmedia]

 制御システムの管理者の7割がウイルス感染を懸念しつつも、4割は具体的な対策が分からない――トレンドマイクロは8月23日、プラントや工場などの制御システム管理者を対象に実施したセキュリティ意識調査の結果を発表した。

 それによると、ウイルス感染の懸念では75.8%が「リスクが存在すると思う」と回答、73.5%が「ウイルス対策の必要性を感じる」と答えた。だが42.2%は「具体的な対策方法が分からない」とした。リスクの評価では46.4%が実施済みで、情報システム部門が制御システムのセキュリティ対策に関与している企業では67.5%に上った。関与しない・不明の場合は29.3%にとどまった。

 制御システムは、閉鎖的なネットワーク環境で独自の仕組みによって運用される場合が多く、従来はインターネット経由でのマルウェア侵入といったセキュリティのリスクが低いと考えられてきた。しかし近年は、汎用的なソフトウェアやハードウェアによるシステムが普及し始め、保守作業などに使うUSBメモリ経由でマルウェアが侵入するケースがあるなど、セキュリティ対策の必要性が叫ばれ始めている。

 同社は「設備技術や生産技術部門と情報システム部門が連携して対処するなど、新しい観点からリスクの評価と対策の検討を進めていくことが求められている」と指摘。調査は7月18〜25日にインターネット経由で行い、電力やガス、水道、鉄鋼、石油、化学、食品、飲料、製薬、自動車などの制御システムの管理者550人から回答を得た。

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