SAP、顧客対応業務を支援するクラウドサービスを発表 国内57万サイトの分析も可能に

営業やサービス部門などでの顧客対応や管理、ソーシャルメディア分析機能などを備えた「SAP Cloud for Customer」を提供する。

» 2013年07月02日 11時59分 公開
[ITmedia]

 SAPジャパンは7月2日、企業の顧客対応業務を支援するクラウドサービス「SAP Cloud for Customer」の提供を開始した。見込み客の段階からほかの顧客を呼び寄せる「プロモーター」となるまでのプロセス全体を導くことを支援するとしている。

 新サービスは、マーケティング、営業、サービスといった部門の顧客向け業務をサポートする。「顧客マスター管理」「製品マスター管理」「販売・サービス分析」の機能のほか、ソーシャルコラボレーション機能の「フィード」を基本機能としたマーケティングや営業部門向けの「SAP Cloud for Sales」、ソーシャルを通じた顧客対応管理機能を提供する「SAP Cloud for Social Engagement」、サービス部門向けの「SAP Cloud for Service」で構成される。

 SAP Cloud for Customer全体ではユーザーの直観的な操作性を最も重視したというインタフェースを実現。スマートフォンやタブレット端末などでも使用でき、Outlookと連携してOutlook上でフィードのコメント閲覧や投稿が行える。また、画面のレイアウトや権限設定が柔軟に変更でき、ビジネスロジックやビジネスプロセスなどに応じたカスタマイズ性の高さも特徴。オンプレミス型製品のSAP ERPやSAP CRMともシームレスに連携する。

SAP Cloud for Customerのユーザーインタフェース

 構成アプリケーションの主要機能は次の通り。

アプリケーション 機能
共通 顧客マスターや製品マスター、販売・サービス分析、ソーシャルコラボレーション機能であるフィードを提供。
SAP Cloud for Sales 定義したターゲットグループに、メール、FAX、電話、レターキャンペーンを登録、連絡先をマーケティング代理店に配布してターゲットグループメンバーに連絡したり、キャンペーンレスポンスを追跡したりすることが可能なキャンペーン管理。マーケティングリードを登録して、キャンペーン、展示会、およびその他のマーケティング活動から発生するローデータを記録するリード・案件管理などの機能を提供。
SAP Cloud for Social Engagement ユーザーとの対話にもとづくサービスチケットの自動生成、優先度によるチケット管理や世界1.5億サイト、国内57万サイト対応のソーシャルメディア分析などソーシャルネットワークを通じた顧客対応管理を行える。
SAP Cloud for Service サービスチケットから新たな見積りや販売注文を作成することで、顧客の問題解決を行う問い合わせを管理。キーワードから解決策を提供するナレッジ管理、問い合わせの受付開始から解決までの応答時間などを管理するSLA管理などの機能を提供する。

 同社は今後のクラウドサービスにおいて、「SAP HANA Cloud Platform」を単一基盤とし、オープンな標準技術にもとづいた拡張開発機能を装備する予定という。これにより、企業は既存の自社システムと、SAPのクラウド事業における注力分野という「People」「Money」「Supplier」の各ソリューションと柔軟に統合しでき、投資を有効活用できると説明している。

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