デル、IaaSの高速実装を可能にするActive Infrastructureを発表

テンプレートによって異種混在環境のデータセンターでインフラ構成を短時間に展開できるソフトウェアと、デルのハードウェアを組み合わせたパッケージシステム製品などを提供する。

» 2013年07月02日 19時44分 公開
[國谷武史,ITmedia]

 デルは7月2日、異種混在環境のデータセンターにおいてインフラリソースを短時間に展開できるとしたソリューション製品群「Dell Active Infrastructure」を発表した。手作業よりも6倍早く仮想化インフラを実装できるという。

 Dell Active Infrastructureは、統合管理ソフトウェア「Active System Manager」、Active System Managerとデルのハードウェアをパッケージ化したシステム製品「Active System」、Active System Managerで実装した基盤に事前検証済みのワークロードを展開できるテンプレートなどの「Active Solutions」で構成される。

Dell Active Infrastructureの構成製品など。Active Systemですぐに基盤を実装でき、互換マトリックスで既存インフラを含めたカスタマイズにも対応

 Active System Managerは、米Dellが2012年11月に買収した統合管理ソフトウェアベンダーのGale Technologiesの技術をベースにしている。マルチベンダーに対応したシステムの管理やテンプレートベースのワークロードの実装といった作業をセルフサービスポータルから行えるのが特徴。デル以外のベンダーのハードウェアも、事前検証が済んでいればActive System Managerの管理下に含められる(対応製品は今後拡充とのこと)。異種混在環境のデータセンターで多くの採用実績があるという。

ナリマン・テイモウリアン氏(博士)

 Galeの会長兼CEOで、買収後はDell コンバージドソリューションズ エグゼクティブ ディレクターを務めるナリマン・テイモウリアン氏は、「これからのデータセンターは異種混在環境をいかに集約させていくかが重要であり、インフラの構成要素が『1つの箱』で提供されるようになる。Dellの買収によって、これが一歩進むことになる」と説明した。

 Active Systemは、Active System Managerに、デルのPowerEdgeサーバ、EqualLogicやCompellentのストレージ、Force 10やBrocadeのネットワークなどをパッケージ化し、利用規模に応じて4つのシステムをラインアップしている。

Active Systemのラインアップ

 また、Active SolutionsではMicrosoftのLyncやExchange、SharePoint、SQL Server、仮想デスクトップ(Citrix、VMware、Microsoft)、プライベートクラウド(Microsoft Fast Track 2.0/3.0)のワークロードのテンプレートを用意する。Active System Managerで実装した環境にこのテンプレートを適用すれば、簡単にワークロードを実装させることができるとしている。

 Active Systemは同日に発売され、出荷開始は8月2日を予定する。最小構成での販売価格(導入支援サービス、保守費などを含む)は895万円。Active System Managerの単体購入も可能とのこと。同社では中堅規模以上の企業でのプライベートクラウド構築や、データセンター事業を営む企業のホスティングサービス基盤などでの利用を見込む。

 会見したデル 執行役員 エンタープライズ・ソリューションズ統括本部長の町田栄作氏は、「他社のハードウェアもサポートしていくことによって、標準化されたワークロードとオープンな環境を利用したいというユーザーニーズに応えられる。とにかく早くIaaSを使いたいというユーザーに最適だ」と説明した。

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