資生堂はトイレタリー事業の販売物流システムにSAP ERPを導入。ほかの事業領域とシステムを共通化している。
資生堂がトイレタリー事業の基幹システムである販売物流システムにSAP ERPを採用し、2013年4月1日から本格稼働している。この導入を支援したJSOLとSAPジャパンが9月3日、発表した。
資生堂は2008年に、国内化粧品事業においてSAP ERPを導入した。その後、会計領域を中心に資生堂の関係会社および他事業へのSAP ERPの展開を進めてきたが、化粧品事業とは商習慣や取引形態が大きく異なるトイレタリー事業の販売物流システムについては、資生堂の自社開発によるホストコンピュータのシステムを継続して利用していた。この間、業務効率やユーザービリティを重視し、改良を重ねてきたが、ホストコンピュータの保守サポート強化や安定維持を目的に、システムのより一層の強化が求められていたという。
そこで資生堂では、トイレタリー事業の販売物流システムを再構築する取り組みを2012年2月にスタート。化粧品事業に導入済みのSAP ERPをベースとして、ビジネス環境の変化に迅速に対応でき、長期に渡り対応可能なシステム基盤の構築を目指したという。さらに、日雑業界の標準VAN(PLANET)との受発注・請求データ連携や在庫荷姿管理、在庫品切調整など、日雑業界において必須かつトイレタリー事業特有の機能に確実に対応するため、業務プロセスとシステム機能の改善、化粧品事業との共通化、標準化による更なる業務効率化を図ったという。
当初の計画通り2013年4月に新基幹システムが本格稼働し、システム基盤統合によるシステム保守運用の共通化・標準化、システム維持費用の削減を実現した業務プロセスの見直しとシステム機能の改善を通して、旧来以上に効率性、ユーザービリティの高いシステムを構築、化粧品事業との標準化や帳票削減によるペーパーレス化を促進し、業務効率化を実現したという。IFRS対応や消費税対応、トレーサビリティ強化など、将来の市場や法制度の要請に迅速かつ柔軟に対応していけるという。
今後、資生堂ではSAP ERPの活用度や導入効果を継続的に検証し、より一層の有効活用や標準化を推進することで、さらなる業務効率化やシステム運用コスト削減のほか、標準化によるジョブローテーションの促進などの効果も期待しているという。
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