日立、仮想化新技術を利用したストレージ製品群を発表

新開発のストレージ仮想化技術を活用し、システムを二重化した環境で無停止による切り替えなどができるプラットフォーム製品を投入する。

» 2014年04月23日 14時20分 公開
[ITmedia]

 日立製作所は4月23日、エンタープライズ向けの新たなストレージプラットフォーム製品「Hitachi Virtual Storage Platform G1000(VPS G1000)」などを発表した。同日から全世界で発売する。

 VSP G1000は、同社が新開発したストレージ仮想化技術「global virtualization」を活用する。この技術は拠点をまたがってシステムを二重化している環境下で、正副のストレージ装置を仮想的に1台のストレージ装置として扱えるようにし、サーバ群から正副両方のストレージ装置に格納されたデータへのアクセスを可能にする。

 従来の二重化されたシステム環境では副システム側のストレージ装置のデータにアクセスができず、通常時は副システム側のサーバ装置で業務アプリケーションを稼働できなかった。新技術により、VSP G1000では仮想サーバを正副のシステム間で移動できるようになり、サーバの負荷分散やメンテナンスが容易になるなど運用管理業務の効率を高められる。

 また、新ストレージ装置への移行時に既存ストレージ装置と新ストレージ装置を仮想的に1台のストレージ装置として扱え、業務やサービス提供を中断することなく新装置に移行でき、業務の継続性が向上した。データ移行中に障害が発生した場合でも、既存装置と新装置のそれぞれでディザスタリカバリ構成が保たれるため、最新のデータでシステム復旧ができる。災害時にも正副のシステム間は高速に切り替えられるため、システムを迅速に復旧できるとしている。

 VSP G1000は、ディスクアレイの他にストレージ基本ソフトウェア「Hitachi Storage Virtualization Operating System(SVOS)」、ストレージ管理ソフトウェア「Hitachi Command Suite」などで構成される。データアクセス性能が従来比約3倍の300万IOPS以上に向上した。複数のVSP G1000搭載ラックを設置する場合、最大100メートルまで離すことが設置できる。日立が提供するストレージシステムの設計、構築を支援サービス「Hitachi Virtual Storage Service」も同日からVSP G1000に対応した。

 税別製品価格は、VSP G1000(システム物理容量:約1.152Gバイト)が1億1379万円から、SVOSが1600万円から、ストレージ階層仮想化機能の「Hitachi Command Suite Data Mobility」が470万円から、ストレージ稼働管理機能の「Hitachi Command Suite Analytics」が240万円から。Hitachi Virtual Storage Serviceは個別見積りとなる。

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