長野県塩尻市は、同市に在住する高齢者の家族が、ほかの地域から自治体サービスにシングルサインオンできる仕組みを構築した。
長野県塩尻市が、同市に在住する高齢者に代わってその家族が自分のSNSのIDを使って市の情報サービスを利用できるようにした。この導入を支援したマクニカネットワークスが9月24日、発表した。
塩尻市は、市民に「塩尻ID」と呼ばれる自治体サービス用のIDを配布しており、市民はこのIDを使って市役所からのお知らせ情報や、土石流情報や水位情報などの減災情報、地域児童見守り情報の取得ができるようになっている。このサービスは、スマートフォンからも利用できるが、高齢者世代は各サービスへのID認証の操作が苦手という人も多く、利用が進んでいなかった。
そこで、親世代である高齢者から了承を得た子世代のユーザーが、普段よく使用するSNSのIDを使って、代理で各サービスにアクセスし、高齢者が自治体の情報サービスを利用できるようにした。これにより、塩尻IDを持つ親から許可を得た子息が、東京からFacebookのIDを使って安全にID認証連携し、塩尻市の住民サービスを利用することで、親の状態を確認したり、親に必要なサービスを代理登録したりすることが可能になった。
このサービスには、マクニカネットワークスが提供するID連携ソフトウェア「PingFederate」が活用されている。あらかじめ高齢者本人の塩尻IDと親族のSNSアカウント(普段使い慣れているID)の紐付けを行う。
今後塩尻市は、ID認証連携による情報基盤を新しいサービスの開発にも応用していくとともに、他自治体へノウハウを展開していくことを計画している。
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