2日目の基調講演では、ワークスペースの概念を発展させ、Citrixが買収したIoT(Internet of Things=モノのインターネット)向けプラットフォーム技術「OctoBlu」を利用したワークスペースオートメーションのデモを披露した。
デモでは、Octobluを使ってグラフィカルにワークフローを作成し、会議のプロセスを自動化してみせた。米Amazonの音声認識システム「Amazon Echo」、Citrixが開発中のスティック型のアナログRGB/HDMI出力デバイス「Workspace Hub」(試作機)を利用して、会議室に入るとタブレットの画面が会議室のスクリーンに映し出されたり、ビデオ会議のセッションがはじまる。
そしてEchoで会議アプリ「GoTo Meeting」を使い、まだ部屋に到着していないメンバーにSMSを送るよう“Alexa、Open GoTo Meeting, send reminders to people who aren't here”と話すと彼らにSMSが送られる。会議が終わり、“Alexa, Open GoToMeeting and end meeting”と告げると、GoTo Meetingから会議を録音した音声メモを出席者全員に送るといった機能を披露した。
Octobluを使うと、物理デバイス、仮想デバイス、アプリ、センサーとAPIを公開するさまざまなソリューションを接続できるようになる。テンプルトン氏は「技術的にはInternet of Thingsだが、Integration of Everything(なんでも接続できる)ものだ」と述べた。Octobluの提供はすでに始まっており、顧客やパートナー企業はSDKを利用してIoTのワークフローを作成できるという。
IDC Japanで長年Citrixの動向を追っている渋谷寛氏(PC、携帯端末&クライアントソリューション担当シニアマーケットアナリスト)は、今回のSynergyのテーマを、「主力製品XenAppの再編と新サービス“Workspace Cloud”の発表」だと述べた。
同氏はWorkspace Cloudについて「IDCが提唱している第3のプラットフォームに位置付けられる製品で、顧客に対して最適なユーザー体験を提供するサービスになるだろう。実績の高いXenAppも既存顧客に対して、これまでにない体験をもたらすことに注力している。そして新規顧客に対する新サービス“Workspace Cloud”構想によって、Citrixは新しいステージに入った」と評価した。
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