Facebookが、Appleの「Siri」やGoogleの「Google Now」のようなパーソナルアシスタント「M」を発表した。Facebookメッセンジャーを通じて使う。人工知能(AI)だけでなく、それをサポートする人間の「M Trainer」がユーザーに対応する。
米Facebookのメッセージング製品担当副社長のデビッド・マーカス氏は8月26日(現地時間)、Facebookメッセンジャー(以下「メッセンジャー」)内で稼働するパーソナルデジタルアシスタント「M」のテストを開始したと、自身のFacebookで発表した。
パーソナルアシスタントとは、人工知能(AI)を採用し、ユーザーの音声やテキストでの質問や命令に対応するサービス。米Appleの「Siri」、米Googleの「Google Now」、米Microsoftの「Cortana」などが先行する。
マーカス氏は「Mは人間が訓練・管理するAIを備えた」パーソナルアシスタントだと説明する。
ユーザーはMをメッセンジャーで友達と同じように選択し、会話の中で質問や命令を入力する。マーカス氏が投稿した画像によると、Mを呼び出すと「こんにちは、私はM。メッセンジャーの中にいる、あなたのパーソナルアシスタントです。いつでも呼び出してください!」と話しかけてくる。
マーカス氏は例として、以下のような使い方を紹介した。
画像での例では、「友達夫婦に子どもが生まれたんだ。プレゼントは何がいいかな? 服やおもちゃはもうたくさん持ってるんだ」と自然な会話のように相談すると「靴はどうです?」と「購入ボタン」付きで候補商品を提示している。
別の例では、「来週シカゴに行くんだけど、おいしいハンバーガーの店を教えてくれない?」という質問に話題のバーガーショップの画像とリンク付きの情報を提示し、「この店が人気です。予約しましょうか?」と答えている。
Facebookを取材した米Wiredによると、Mは過去数週間のFacebook社内でのテストの後、まずはサンフランシスコの数百人の一般ユーザーでの招待制テストが開始されるという。Mは完全にAIが対応するのではなく、「M Trainer」と呼ばれるFacebookの契約社員がAIの行動を監視し、AIが適切に反応できない場合はM Trainerが対応する。マーカス氏はWiredに対し「Mは人間の行動を学習している」と説明しており、将来的には独り立ちできるのかもしれない。
Mは将来的には全Facebookユーザーが無償で利用できるようになる見込み。
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