IoTという新たな「産業革命」
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» 2016年06月20日 08時00分 公開

病院で働くPepper、命をつなぐIoTペンダント――富山発、地方の高齢者を救うIT (3/4)

[やつづかえり,ITmedia]

ペンダント型端末で高齢者見守り活動をサポート

photo 高齢者が身に付けるペンダント型の端末。センサーによって活動量と温度と湿度が分かる

 川向さんが取り組んでいるもう1つのプロジェクトは、高齢者見守りシステムの実証実験だ。これは国の2015年度 農村集落活性化支援事業の助成を受け、氷見市の内陸にある久目地区が実施した取り組みの一部という。

 本プロジェクトではITベンチャーのSkeed(スキード)と協力し、高齢者が身に付けるペンダント型の端末で収集した情報をBeaconを使った高齢者宅内ネットワークを介してインターネットに送信するシステムと、そのデータをWeb上に表示するシステムを構築した。データを見るのは、高齢者の見守り活動をしている地元の民生委員の人たちだ。

 「端末にはセンサーが入っていて、高齢者の活動量と温度と湿度のデータが分かるようになっています。情報はそれだけですが、とても喜ばれました。民生委員の方は1人で5人から10人の高齢者を担当しているので、毎日全員を見に行くことはできないのが現状です。これまでは、心配しながらも数日ごとにしか様子を見に行けなかったところ、これで毎朝『動いている』と分かるだけで安心できると。もし活動が止まっているといった異常が確認できれば、すぐに駆け付けられますから」(川向さん)

photo Web上で活動量や温度、湿度が一覧できる。これらの状態が分かるだけで、安心できる部分は大きいそうだ

 最近では、災害に遭ったり倒れたりといった、高齢者の万一の際に救助者に情報を伝える仕組みとして「いのちのバトン」という取り組みが全国各地で広がりつつある。医療履歴や緊急連絡先、保険証のコピーなどを筒状の専用容器に入れ、住居内の冷蔵庫に保管しておくというものだ(参考リンク)。川向さんはペンダント型端末について、いずれは「いのちのバトン」のデジタル版のようなものに発展していくと考えている。

 「医療履歴などもデータとしてこの中に入れて、地元の関係者と共有するシステムを作っておけば、日常的に民生委員が見られるだけでなく、何かあったときは救急隊員や病院も見られます。在宅医療や地域包括医療もとてもやりやすくなるでしょうね。個人情報なので、役所はこういうものを嫌がる傾向にありますが、逆に情報をどう管理するかのルール作りをさえきちんとできれば、時間はかかってもきっと実現できるでしょう」(川向さん)

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