私が担当する新入社員研修の2回目は、メールの書き方やマナーについて。別に彼らは電子メールというツール自体には抵抗感がなく、さくさくと研修が進んでいたのだが、ある1人の質問によって窮地に立たされたのだった。
私が担当する新入社員研修の2回目がやってきた。本来であれば、Excelを教える予定だったのだけど、昨日のミーティングを受けて、急きょメールの書き方やマナーに変更することになった。
Excelといえば……以前、会社の中でWordやExcelを使った書類の作成技術が問題になったことがある。一部の“詳しい人たち”が作った書類は、素晴らしいテクニックを利用して作っていても、それを使う他の社員が仕組みを理解していないと、「なぜそうなる?」と首をかしげることになる。もちろん、修正をしたくてもできない。
例えば、Excelでは文字を入力できないセルを指定し、入力しようとするとエラーメッセージが出るよう設定できるが、その機能自体を知らない人やどう設定していいか分からない人には、極めてナゾな機能だろう。そういえば、「Wordを使ってたら、文字が“ぴょん”って飛ぶのよ!」とヘルプコールを入れてきた人もいたなぁ。
そこでヘルプデスク部隊では、社内文書を作成する際のテクニックやノウハウをまとめた自慢すべきデータベース(?)が……ああ、それをFAQっていうのか。新入社員には、せめてここの利用方法だけでも教えておかないと。本人たちも困るし、ヘルプデスクへのコールも減らないからね。
わたし: ヘルプコールをする前に、自ら情報を取りに行く新入社員。んー理想的。ステキな響きだわ。研修で私が頑張っただけ、きっとコールの数が減るはずよ。
待て私! 今、考えるべきはそれじゃない。次回の研修だ。あああ、いつの間にか現実逃避モード……。考えるのは研修の内容だけじゃない。何をどう教えれば、新入社員たちが覚えてくれるか。先日の反省も踏まえてちゃんとしたいんだけど、プロじゃない「なんちゃって講師1年生」にはどうしていいか分からないのよねぇ。ああ、考えれば考えるほど、分からなくなっていく。
ええい、もう考えるのはやめた! なるようになるさ。大事なのは、彼らにしっかり理解してもらうこと、覚えてもらうこと、そして何より、使えるようになってもらうこと。そのことだけを考えて(祈って?)やることにしよう。
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