Facebookの7〜9月期決算は、予測を大幅に上回る増収増益で、売上高は70億ドルを超えた。モバイル動画広告が好調だった。モバイルのみからアクセスするDAUが10億人を超えた。ザッカーバーグCEOは、MessengerなどのアプリへのAI採用の動画関連技術投入を予告した。
米Facebookが11月2日(現地時間)に発表した第3四半期(7〜9月)の決算は、モバイル動画広告が好調で、売上高は前年同期比56%増の70億1100万ドル、純利益は166%増(約2.7倍)の23億7900万ドル(1株当たり82セント)と過去最高を更新した。非GAAPベースの純利益は95%増の31億6800万ドル(1株当たり1ドル9セント)だった。
売上高、非GAAPベースの純利益ともにアナリスト予測(売上高は69億3000万ドル、非GAAPベースの純利益は97セント)を大きく上回った。
非GAAPベースの営業利益率は5ポイント増の59%だった。
日間アクティブユーザー数(DAU)は17%増の11億7900万人、月間アクティブユーザー数(MAU)は16%増の17億8800万人だった。モバイルからのDAUは22%増の10億9100万人、モバイルからのMAUは20%増の16億5800万人だった。MAU全体に占めるモバイルからのMAUは前期より1ポイント増の93%だ。
モバイル端末からのみアクセスするユーザーのMAUは前年同期比45%増、前期比9%増の10億5500万人だった。モバイルのみからアクセスするユーザーのMAUは初めて10億人を超え、MAU全体の59%を占めた。
モバイルでの広告売上高は広告売上高全体の約84%を占めた。前期より2ポイント増えた。
マーク・ザッカーバーグCEOは発表文で「今期も好調だった。すべてのアプリの“動画ファースト”化と向こう10年のロードマップの遂行は着実に進んでいる」と語った。
デビッド・ウェーナーCFO(最高財務責任者)は業績発表後の電話会見で、広告表示(ad load)増加はユーザー数増加、ユーザーの滞在時間増加と共にFacebookの成長の主要ファクターだが、2017年半ば以降は広告表示が減少すると予測した。同氏は、広告開発の人材採用に注力し、新たな広告製品を投入していくと語った。
ザッカーバーグ氏は電話会見で、動画ファースト戦略についての説明に時間を割いた。質疑応答では、将来的には動画専用アプリを立ち上げるとも語った。また、Interenet.orgのサービスを使ってネットに接続するユーザー数が4000万人を超えたと発表した。
ザッカーバーグ氏による恒例の各種サービスに関する数値をまとめた画像投稿には動画も追加された(前期は360度画像だった)。投稿の上部でFacebook、WhatsApp、Messnger、InstagramのMAUを示し、その下に注力している4つのサービスを動画で紹介した。既存の「ライブ動画」と「Instagram Stories」と共に、まだ一部のユーザーでテスト中の動画関連機能の「New Camera」と「AI Style Transfer」もある。
同氏によると、ライブ動画の投稿は5月から4倍になり、Instagram StoriesのDAUは1億人を超えたという。New Cameraは複数のアプリに追加し、メッセージングツールには向こう数カ月中に新機能を投入するとしている。
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