コグニティブ製品では、米IBMの「Watson」が競合として挙げられるが、差別化のポイントは3つあるとホートソン氏は話す。
「まずは知的財産権の問題です。IBMは自社の中でアルゴリズムを持って、その中でコグニティブソリューションを開発している。一方のOpenTextは顧客自体がアルゴリズムを持っています。そのため、データを使って生み出されたものの知的財産権が、Watsonの場合はIBMに、OpenTextの場合はユーザー企業に帰属します。
2つ目はハードウェアやソフトウェアに制約がなく、オープンであることです。Watsonの場合はIBMのサーバ製品やクラウドを使う必要がありますが、OpenTextはプライベートクラウドでもいいし、OpenTextのクラウドでも、サードパーティーベンダーでも、パートナーSIのクラウドでも構いません。
3つ目は価格です。2017年7月ごろにリリースする予定の製品に関しては、Watsonの5分の1から6分の1程度の価格で提供する予定です。MAGELLANはApache Sparkなど、OSS(オープンソースソフトウェア)ベースで開発を進めていますし、われわれはテキストマイニングや自然言語の技術、そして分析のエンジニアを持っていました。一からサービスを作り上げる必要がなかったというのが、低価格で提供できる大きな理由になります」(ホートソン氏)
Watsonは企業ごとの知見(コーパス)を集積し、産業ごとの知見を集積するという方向性を記者会見で打ち出しているが、OpenTextのMAGELLANは、各企業に知見を持たせるという方向性であり、アプローチが真逆といえるだろう。ただし、どちらのアプローチも、企業のビジネスを発展させ、差別化のポイントを作るという目的は一致している。
そして、価格を抑えることで、大企業から中小企業までをターゲットにできるよう今後も開発を進めていくそうだ。「非構造化データを活用し、人間の仕事をより知的なものにしていく」――。これがオープンテキストが目指すコグニティブの姿なのだという。
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