NTTデータが予測、社会を激変させる「8つのITトレンド」Weekly Memo(2/2 ページ)

» 2017年01月30日 11時00分 公開
[松岡功ITmedia]
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人とシステムの関係を軸にした全体観があってこそ

 NTTデータが挙げたこれら8つのITトレンドをあらためて見ると、「人工頭脳の浸透」をはじめとして「対話型コンピューティング」「環境認知ロボット」「プレシジョンライフサイエンス」といった1〜4項目は、AIと関連が深い技術である。

 さらに、6つ目の「IoT時代のセキュリティ」と7つ目の「ITインフラの多様化とサービス化」はAI活用の高度化を支える技術であり、5つ目の「超臨場チャネルの獲得」と8つ目の「コラボレーションデザイン」はAIの活用領域を広げる技術と捉えることもできる。

 つまり、AIが今後、社会に最も大きなインパクトを与えるITトレンドであることを、同社のリポートは語っている。この点については、木谷氏も会見で「AIは既にさまざまな分野での利用が始まっており、新たな技術もどんどん生まれてきている。まだまだ、これからもっと大きなインパクトを社会に与えていくだろう」との見解を示していた。

 ちなみに同社では、これら8つのITトレンドが情報社会にもたらす変化として、「個の影響力拡大が社会の変革を促進する」「オープンな連携が新たな社会の仕組みを生み出す」「進化する価値が既成概念の転換を促す」「フィジカルとデジタルの融合が生活やビジネスの可能性を広げる」との4点を挙げている。

 そのうえで、8つのITトレンドと4つの情報社会トレンドを、人とシステムの関係を軸にマッピングした図2のような全体像を描いている。この人とシステムの関係を軸にした全体観をもって各トレンドを挙げているところが、システムインテグレーターらしい発想だと筆者は感じた。

Photo 人とシステムの関係を軸にマッピングしたトレンドの全体像(TT:技術トレンド、IST:情報社会トレンド、出典:NTTデータの資料)

 木谷氏は、「当社としては、このリポートを用いてお客さまとともに未来像を描き、その未来を実現するために必要となる技術やサービスを開発することで、新しいビジネスの創出や社会全体の発展を目指していきたい」と語っていた。同社によると、各トレンドの詳細を記した冊子(PDF)を2017年3月末に同社Webサイトで公開する予定とのこと。注目しておきたい。

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