NTT Com、VR活用支援サービスをスタート H.I.S.が先行導入

VRコンテンツの企画や制作、配信、効果測定までをワンストップで提供し、企業のVR活用を支援するソリューションを発表。H.I.S.の先行導入事例では、顧客満足度や成約率の向上などが期待されるという。

» 2017年02月10日 13時45分 公開
[ITmedia]

 NTTコミュニケーションズ(以下、NTT Com)は2月9日、VR(仮想現実)を活用したいという企業を支援する「VR活用支援ソリューション」の提供を開始した。希望企業は、NTT Comへ一元的にアウトソースできるという。旅行代理店大手エイチ・アイ・エス(H.I.S.)が、同ソリューションを活用して冬の沖縄の魅力をVRコンテンツで紹介する取り組みを始めている。

 このソリューションは、VRコンテンツの企画や制作、配信、効果測定までをワンストップで提供する。同社が持つVRコンテンツ制作や配信のノウハウを生かし、企業のVR活用支援する。また、利用者の視線ログを解析した高度な効果検証もできるという。

Photo 企画から制作、配信、効果検証までをワンストップで実施可能

 VRコンテンツは、一般的な専用ゴーグルやより高い臨場感が得られる湾曲型ディスプレイを使用して体験できる。企業ニーズに合わせてコントローラーを用意し、Apple TVのリモコンをコントローラーとするカスタマイズにも対応するという。

 また、NTTアドバンステクノロジの「パノラマ超エンジン」を利用した高度なコンテンツ開発にも対応する。このエンジンは、利用者の視界に入る部分の映像だけを高精細化する技術。4Kの高精細映像などは、コンピュータ処理やネットワークの負荷が高く、性能に限界のある機器ではサービス品質に難があることから、部分処理を行うことで、利用者が快適にVRを体験できるようにする。その他に、位置情報の同時配信や、限られた利用者間でのコンテンツ共有も可能だ。

 H.I.S.が始めた取り組みは、VRによる沖縄ツアー体験コンテンツを店舗で提供する。顧客が実際に訪れる時間に合わせて撮影された空港やホテルの動画、観光名所を含めたツアーの様子を疑似体験でき、同社では顧客満足度の向上やツアーの成約率向上などにつなげたい考え。今回の効果検証を踏まえ、コンテンツの追加も検討するという。

Photo H.I.S.で展開される「プレミアムフライデー&週末利用 冬の沖縄体験」VRコンテンツ。実際のツアーと同じ時刻に撮影した画像や映像を使っていることが特長で、事前に現地のリアルな雰囲気を味わうことができる

 VRコンテンツは、臨場感あふれる疑似体験を消費者に提供できるため、サービス業などを中心に利用促進が期待されるが、システム導入やコンテンツ制作コストなどに課題があり、今回のサービスは課題解消に向けたソリューションにもなっている。

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