米当局、ロシア人要員など4人を起訴 米Yahoo!のユーザー情報大量流出で

米司法省は、ロシア連邦保安局(FSB)の要員2人を含む4人をコンピューターハッキングや経済スパイの罪で起訴したと発表した。

» 2017年03月16日 09時30分 公開
[鈴木聖子ITmedia]

 米Yahoo!のシステムが不正アクセスされてユーザー情報が大量に流出した事件で、米司法省は3月15日、ロシア連邦保安局(FSB)の要員2人を含む4人が、コンピューターハッキングや経済スパイの罪でカリフォルニア州北部地区の大陪審に起訴されたと発表した。

 発表によれば、起訴されたのは33歳と43歳のFSB要員2人と、29歳のロシア人、22歳のカナダ人。米Yahoo!のシステムに不正アクセスして、Yahoo!アカウント少なくとも5億件に関する情報を盗み出し、その情報を使ってYahoo!やGoogleなどが提供するWebメールアカウントの内容を盗み見したとされる。

photo 米司法省のプレスリリース
photo Yahoo!

 メールを盗み見された被害者には、ロシアのジャーナリストや米国およびロシアの政府当局者、金融や運輸といった分野の民間企業の従業員が含まれるという。

 ロシア国籍の29歳の被告は、FBIや国際刑事警察機構(インターポール)がサイバー犯罪事件に関して2013年に指名手配していた男で、同年に欧州で逮捕されながら、米国に引き渡される前にロシアへ逃走していたという。

 FSB要員はこの男を使ってYahoo!のネットワークに不正アクセスさせ、2014年11月〜12月ごろ、ユーザー5億人以上の氏名や電話番号などが記録されたユーザーデータベースの情報を盗んだとされる。

 さらに、ヤフーのアカウント管理ツールにも不正アクセスして標的とするアカウントを特定、偽造cookieを使って少なくとも6500件のアカウントに不正アクセスしたとされる。

 もう1人の共謀者とされるカナダ在住の男は、3月14日にカナダで逮捕された。捜査当局は、Yahoo!やGoogleとの緊密な連携を通じて容疑者を特定できたとして、両社の協力を評価している。

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