メンバーを選べないケースで抵抗勢力に負けない変革チームを作るにはどうしたらいいのか。その方法を伝授します。
この記事は榊巻亮氏のブログ「榊巻亮の『ブレイクスルー備忘録』」より転載、編集しています。
「抵抗勢力との向き合い方」を解説する連載も、ついに今回が最終回。最後は「メンバーを選べない状況で強い変革チームを立ち上げる」コツについて解説したい。
前回は、抵抗に強いチームの“集め方”を解説した。しかし、チームメンバーは自由に選べないことも多い。よくあるのは、プロジェクトのメンバーも期間も、おおむね上層部が決めた状態で、プロジェクトリーダーやメンバーに話が降りてくるケースだ。
こうなるとメンバーは選べない。決められたメンバーをいかに1つにし、強いチームをつくっていくかが重要になるが、それに失敗するとチーム内に抵抗勢力が現れ、空中分解をしてしまう恐れもある。そんな事態に陥らないための手法を2つ、紹介しよう。
私たちがコンサルティングチームを組むときや、クライアントのメンバーと1つのチームをつくるときに必ず行うのが「ノーミングセッション」だ。
一般に、新しく組織されたチームは、単なる人の集まりにすぎない。最初は互いに手探り状態が続き、組織として機能するようになるには時間がかかるものだ。
チームがつくられていく過程を示したものに「タックマンモデル」というものがある。
このモデルのポイントは、“どんなチームも必ずこのステージを経る”ということ。少しでも早く「フォーミング」や「ストーミング」の段階を抜けることが成果につながるため、素早く「ノーミング」にたどり着くためのセッションを行う。それが「ノーミングセッション」である。
ノーミングセッションではまず、
などを共有する。ここまでは実施している方も多いだろう。
しかし、これだけではあまりに当たり障りのない内容で、ストーミングステージを抜けるには足りない。そこで、ケンブリッジではさらに、
などをぶっちゃけて話し合う。これがいい。ここまで踏み込んで話すからこそ、自分の強みを最大に生かすために、または弱みを補完してもらうために、チームが協力しやすい状態がつくれるのだ。
それに、このセッションはけっこう場が盛り上がる。
といった具合だ。これで互いの心理的な壁もだいぶ壊れる。
また、プロジェクトに対する懸念や不安が、この時点で明らかになるのも利点だ。
などという会話が出てくる。
このタイミングで本音で話しておくと、その後が全く違う。スムーズなコミュニケーションがとれるようになり、何より「言いたいことは言っていいんだ」というマインドがセットされる。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.