日立は、スマートフォンに内蔵されている加速度センサーを利用して、人の幸福感や組織の活性度を計測する技術を開発した。
日立製作所は10月2日、スマートフォンに内蔵されている加速度センサーのデータを活用し、組織の幸福感(組織活性度)を計測する技術を開発したと発表した。
同社は、人や組織の活性度、幸福感と生産性の関係に着目し、同社の人工知能(AI)技術「Hitachi AI Technology/H」と名札型ウエアラブルセンサーを活用して幸福感を計測、分析する技術を2015年に開発。2016年6月には、同センサーで収集した行動データを時間帯や会話相手などの項目で細分化し、個人にカスタマイズしたアドバイスを配信する技術を開発し、幸福感や組織活性度の向上を支援するサービスとして展開している。
今回開発した技術では、スマートフォンに内蔵された加速度センサーから得る身体運動のデータを利用し、幸福感を計測する。
スマートフォン内蔵のセンサーは、性能や仕様が名札型センサーと異なるうえ、電話やメールなどで利用されている間は正常な計測ができないなどの課題があった。そこで、スマートフォンと名札型センサーの両方で計測を行い、その関係性をAIに学習させ、スマートフォンで得られたデータを補正する技術を開発。これにより、スマートフォンの装着のみで幸福感の計測が可能になった。
同社は、この技術を、スマホアプリで簡易的に組織の幸福感を計測するサービスとして、多くのユーザーを対象に提供することを予定している。本格的に組織の分析や組織活性度の向上支援を希望する企業には、従来の組織活性化支援サービスを提供し、名札型センサーを用いた対面コミュニケーションや時間の使い方の可視化、組織活性度を高める働き方のアドバイスの提示などを提供するという。
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