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» 2018年02月07日 08時00分 公開

Microsoft 365とAzureを導入した佐賀の小学校 タブレットフル活用の授業を見てきた教員の“長時間労働”も解消?(3/3 ページ)

[池田憲弘,ITmedia]
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コピー可能な教材が、教育の「デジタルトランスフォーメーション」を起こす

 発表会が行われた多久市立東原庠舎中央校では、児童向けにWindowsタブレット100台を用意し、2017年11月から、小学5年生を中心にタブレットとOfficeを活用した授業を行っている。今回公開されたのは算数、体育、理科の3つの授業だ。教材の配布はクラウド上で行っているという。

 例えば、算数の授業では、図形を学ぶ単元で電子黒板やExcelのグラフ機能を活用。体育では、バスケットボールの試合中に、児童が各選手のパスとシュートの回数をタブレットに記録し、次の試合に向けた作戦を話し合っていた。

photophoto 算数の授業では、図形を学ぶ単元で電子黒板やExcelのグラフ機能を活用(左)。体育ではバスケットボールの試合が行われていた(右)
photophoto バスケットボールの試合中に、児童が各選手のパスとシュートの回数をタブレットに記録。次の試合に向けた作戦に生かすという

 理科の授業は「振り子」の周期を計測する実験で、タブレットを使って時間を計測し、結果をExcelでまとめ、Office 365で結果を共有するというものだった。タブレットを片手に実験を楽しそうに行っている様子を見ると、授業を楽しむツールとして、自然に使っているように感じた。休み時間には「Minecraft Education Edition」で遊ぶ生徒もいるようで、児童同士でタブレットの使い方を教え合う時間(授業)もあるそうだ。

 タブレットやOfficeを使う授業は、現状で全授業の10%程度とのことだが、今後はその割合を増やしていく予定だ。児童だけではなく、保護者からも好評だという。

photophoto 理科の授業は「振り子」の周期を計測する実験で、タブレットを使って時間を計測し(左)、結果をExcelでまとめ(右)、Office 365で結果を共有するというものだった

 「電子黒板やタブレットを使うことで、『平均』など、紙の教科書ではイメージがしづらかった概念が説明しやすくなりました。今やタブレットがない授業は考えられなくなってきていますが、教員自身もExcelの使い方を深く知る必要があるように感じます」(同校 5年3組古川能正教諭)

 教育のデジタル化は、児童や生徒に好評なことはもちろん、教員の労働時間を削減する効果も出てきているようだ。古川教諭は、教材作りに必要な時間が大きく減る可能性があると話す。

 「例えば、台形の面積を求める公式を学ぶ算数の授業では、児童が紙を切ったり貼ったりしながら学べるように、紙の教材を用意します。紙では一回切るのに失敗してしまえば、また新しい紙を使う必要がありますが、デジタルではデータを再利用できます。これだけでも教材作りにかかる時間が、3分の1くらいになると考えています」(古川教諭)

 簡単にコピーができる――というのは“デジタル化”の大きなメリットだ。黒板で一斉に教えるような教育ではなく、子供たちが能動的に動いて学んでもらう教育であるならば、それは大きな意味を持つ。生徒は失敗を繰り返しながら、素早くPDCAを回して正解にたどり着ける。一方の教員は先例をコピーしながら、よりよい教材作りへ時間を割くことができるのだ。これこそが、教育における「デジタルトランスフォーメーション」の姿だといえるだろう。

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