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» 2019年02月18日 07時00分 公開

システムを統合したら運用要員が5分の1に 2社合併のリンクアカデミーに見る「組織と基幹システム統合」のメリット (1/2)

かたやPCスクール、かたや老舗の資格教育……歴史も文化も、社員の平均年齢もまるで異なる2つの企業が統合して生まれたリンクアカデミーでは、どのように組織の、そして基幹システムの統合を進めたのだろうか。

[高橋睦美,ITmedia]

 かたやPCスクール、かたや老舗の資格教育――。歴史も文化も、社員の平均年齢もまるで異なる2つの企業の統合によって2013年12月に誕生したのがリンクアカデミーだ。

 こうした企業の統合で難しいのは、異なる文化をどのように1つにまとめていくか。加えて今の時代には、それぞれの企業で異なるITシステムを、どのような形で統合していくかも大きな課題となる。

 リンクアカデミーは、真逆ともいえる2社の文化とシステムをどうやって統合したのか――。同社取締役の横山丈二氏に聞いた。

Photo PCスクール大手のアビバと老舗の資格教育企業、大栄教育システムが2013年12月に統合して生まれたリンクアカデミー

文化も考え方も違う2つの組織を「1つの言葉」で統合

Photo リンクアカデミー取締役の横山丈二氏

 リンクアカデミーは、PCスクール大手のアビバと老舗の資格教育企業、大栄教育システムが2013年12月に統合して生まれた企業だ。「生涯学習時代に突入した今、『i-Company(自分株式会社)』というコンセプトで、人を一つの“企業”と捉え、いかに差別化や成長を図るか、そのプロセスを手助けしていくかを追求している」と同社取締役の横山丈二氏は述べている。

 リンクアカデミーは統合を機に、それまで別々に開発、運用してきた基幹システムも統合し、親会社であるリンクアンドモチベーションが採用していたSalesforceのプラットフォーム上に移行した。一言でいうと簡単だが、その背景には技術的な課題のみならず、異なる2つの文化、異なる2つの考え方を持った組織の間で「1つの理念」を共有するためのさまざまな工夫があったという。

 もともとアビバ出身の横山氏によると、「それぞれが、完全にスクラッチで一から開発した基幹システムを使い続けて10数年たっていました。2013年の年末に経営統合してリンクアカデミーを設立しましたが、そもそも仕分けルールなど会計の考え方も違えば、顧客データベースの作り方も全く異なり、シナジー効果を発揮したくてもできない状況でした」と振り返る。この状況を何とかすべく、企業統合直後の2014年からシステム統合のプロジェクトを立ち上げたが、統合は一筋縄ではいかなかった。

 そもそも、主にPC関連のスキルを教えるアビバと、簿記などさまざまな資格試験の取得を支援する大栄教育システムとでは、システム以前に「文化」や「考え方」が大きく異なっていたのがその理由だ。

 長い歴史のある企業だけあって大栄教育システムは「生徒の合格を手助けするための授業や教材作りが第一」、と考える教師肌の社員が多かった。ただ、教育者としてはプロフェッショナルであるももの、ITリテラシーは必ずしも高いとはいえず、受講者を集めるためのマーケティングや営業活動に対する理解も進んでいなかった。

 組織体系も、当初は2つの組織が併存する形が続いたという。

 「旧アビバと旧大栄教育システムのトップがそれぞれ社長と副社長になり、2大ヘッド体制となったのですが、ちょっとした相談ごとがあってもそれぞれ別のラインで上げていましたし、人事も双方のバランスを取った“たすきがけ”という形ではなかなか物事が進まなかったのです。とはいえ、皆が、『このままではよくない』と感じていたこともあって、新たに親会社のリンクアンドモチベーションから社長を迎え、『共通言語』『共通文化』作りに取り組み、そこから統合が加速しました」(横山氏)

 まず取り組んだのが、共通の理念作りだ。「『i-Company』という言葉で2つの文化を結び付けるため、まず『教育』とは何かというところから理念作りを始めた。いろいろな考え方があるが、『今日、行きたくなる教室』という言葉を作り、それを日々、社内報や動画などさまざまな形で社員に発信していった」と横山氏は振り返り、「言語の統一が最も大事だと感じた」と話す。並行して人事制度も見直し、1年半かけて組織の再編成を進めていった。

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