鎮痛剤として処方される「オピオイド」の乱用で命を落とす人が急増する米国で、Googleが政府当局や大手薬局チェーンと協力し、余ったオピオイド系薬物を引き取ってくれる最寄りの薬局や病院をGoogleマップと検索で検索できるようにした。
米Googleは2月21日(現地時間)、米保健社会福祉省(HHS)が2017年に宣言いたオピオイド危機の対策で、処方されたオピオイドを安全に廃棄できる場所をGoogleマップやGoogle検索で簡単に検索できるようにしたと発表した。
これは、連邦政府および州政府の多数の関連機関や薬局の協力で実現したものという。米大手薬局チェーンのWalgreensやCVS Healthも協力した。
オピオイドは鎮痛剤として処方される薬物だが、多量に摂取すると常習性が生じ、過剰摂取で死亡する危険もある。処方薬の乱用のきっかけの53%は、家族や友人から譲り受けた余った処方薬が原因という。HHSによると、米国では1日当たり130人以上がオピオイド系薬物の過剰摂取で死亡している。
同日から米国で、GoogleマップやGoogle検索で「近所で薬を廃棄できる場所」や「近くで薬品を処分できるところ」などと検索すると、余った処方薬を引き取ってくれる最寄りの薬局や病院、政府機関などが表示されるようになった。
Googleは昨年、米薬物取締局(DEA)と協力し、余った処方薬を年に2回は廃棄するよう呼び掛けるプロジェクトを実施した。そのプロジェクトにより、2018年だけで約84万キロに上る処方薬が集まった。今回のGoogleマップと検索での薬物廃棄場所検索サービスは、その実績を踏まえたものだ。
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