新たな創業へ――NTT Comが打ち出したDXプラットフォーム事業戦略Weekly Memo(1/2 ページ)

NTTコミュニケーションズが新たなDX事業戦略を打ち出した。そのキーとなるのは「Smart Data Platform」。庄司哲也社長によると「これからの当社の成長エンジン」。果たしてどのようなものか。

» 2019年10月07日 11時00分 公開
[松岡功ITmedia]

電話、IPサービス、ICTソリューション、そしてDXへ

 「当社は2019年、創業20周年を迎えたのを機に、新たな創業を目指す」――。NTTコミュニケーションズ(以下、NTT Com)代表取締役社長の庄司哲也氏は、同社が10月3〜4日に都内ホテルで開催した自社イベント「NTT Communications Forum 2019」の基調講演でこう切り出した。

Photo NTTコミュニケーションズ代表取締役社長の庄司哲也氏

 NTT Comは1999年の創業以来、電話からIPサービス、さらにICTソリューションへと事業を広げてきた。見方を変えれば、コアビジネスの転換を図ってきたともいえる。

 では、庄司氏が言う「新たな創業」とは何か。そのキーワードとなるのが「デジタルトランスフォーメーション(DX)」である。同氏は新たな創業で、「データ利活用によるお客さまのDX実現に貢献する」ことを目標として掲げたのだ。

 そして、そのDX事業戦略のキーとなるのが、「データ利活用に必要な全ての機能をワンストップで利用できるプラットフォーム」と銘打ってこのほど提供を開始した「Smart Data Platform(SDPF)」である。

 SDPFは、NTT Comが2018年度より開発を進めてきた「データ利活用を支えるサービス群」を再編成し、より進化したプラットフォームとして打ち出したものだ。庄司氏は、同社がSDPFを打ち出した背景や目的について、次のように説明した。

 「企業においてDXへの取り組みが求められているが、DX実現のために最も重要なのはデジタルデータの有効な利活用だ。そのためには、企業内外の組織やプロセスを超えた横断的なデータの利活用が重要となる」

 さらに、こう続けた。

 「従来はさまざまなサービスを複数の事業者から調達し、構築運用する必要があり、データ利活用に至るまでに大きな稼働やコストがかかっていた。これに対し、SDPFはデータ利活用に必要な収集、蓄積、管理分析における全ての機能を、ICTインフラも含めてワンストップで提供し、データ利活用によるDX実現を加速させるソリューションだ」

 その上でNTT Comは、SDPFを活用して、同社がかねて提唱している「Smart Workstyle」「Smart Education」「Smart City」「Smart Factory」「Smart Healthcare」「Smart Customer Experience」「Smart Mobility」の7つの領域からなる「Smart World」の実現に取り組むとしている。

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