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» 2020年01月20日 12時45分 公開

Weekly Memo:SIerは「ローカル5G」ビジネスで主役になれるか――日鉄ソリューションズに聞く (2/2)

[松岡功,ITmedia]
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これまでできなかったことをできるようにするのがSIerの役割

 ノキアとの提携については、ノキアの製品・サービスをNSSOLの自営無線網サービスに活用するのが狙いだ。

 ノキアは通信技術においてグローバルでリーディングカンパニーとして世界130カ国の通信事業者に製品・サービスを提供し、既に50件以上の5G商用サービスの契約を結んでいる。

 また、120以上の企業や自治体に対しても、スモールスタートが可能で利便性の高い自営無線網クラウドサービス「Nokia Digital Automation Cloud(Nokia DAC)」を提供している。大城氏はこのサービスをはじめとした製造業向けIoT(Internet of Things)ソリューションのポイントについて、「生産現場で発生する重要なデータを社内に閉じ込めて、セキュアに収集・蓄積できる」点を挙げた。

 NSSOLでは、将来的に多くの企業がAI(人工知能)やIoTを活用する際にNokia DACが必要になると見て、2017年よりノキアと共同で検証作業を実施してきたという。加えて国内の通信事業者に対するシステムインテグレーションや運用実績に基づき、国内企業が自営無線網として用いる際に必要となる機能や運用の要件の検討をノキアとともに続けていく構えだ。

 一方、ノキアがNSSOLを提携相手に選んだのは、図1にも描かれているサービス「安全見守りくん」を高く評価したためだ。NSSOLが製造業向けDXソリューションとして注力している同サービスは、IoT技術を活用して現場作業者の状態をリアルタイムに検知するものである(図2)。

Photo 図2 「安全見守りくん」の概要(出典:NSSOL)

 水野氏によると、「ノキアからグローバル展開に向けて英語版を早く作ってほしいと言われている」とも。同サービスが海外へ広がっていく日も遠くないかもしれない。

 ということで、アグレッシブな動きを見せるNSSOLでローカル5G事業の陣頭指揮を執る大城氏にこの分野でのSIerの役割を聞いたところ、次のような答えが返ってきた。

 「生産現場ではローカル5Gによって、作業者への迅速な遠隔業務指示や大量の設備データによる高精度な予防保全、高画質な画像の分析といった、これまではできなかったことが5Gの特徴を生かしてできるようになる。これまでできなかったことをできるようにする役割を担うのが、5GだけでなくIoTやビッグデータ分析、AI、クラウド、セキュリティなど幅広い技術や製品、サービスを駆使できるSIerだと確信している」

 では、もう一歩踏み込んで、SIerはローカル5Gビジネスの主役になれるか。こう聞くと大城氏は即座に「なれる。主役になっていかなければいけない」と答えた。さてどうか。注目していきたい。

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