Crocsのシューズブランド「HeyDude」、2023年末までにERPの大幅な改革を目指すCIO Dive

Crocsのアンドリュー・リースCEOによると、同社はERP刷新のプロジェクトによって一時的に配送が制限されると予想し、HeyDudeブランドの2023年の売上高見通しを引き下げた。

» 2023年09月01日 07時00分 公開
[Lindsey WilkinsonCIO Dive]

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CIO Dive

 Crocsが展開するシューズブランド「HeyDude」は、2023年末に向けて新たなERPシステムに移行する予定であると、2023年第2四半期決算説明会でアンドリュー・リースCEO(最高経営責任者)が語った。

 同社は2022年2月、20億5000万ドルでイタリアのシューズブランドHeyDudeを買収し(注1)、同年7月にHeydudeが2024年までに10億ドルのブランドになると予想していると述べた(注2)。

ERPシステムの導入や刷新によって、各社将来を見据えて社内の体制を整備

 金融情報に関するニュースサイト「Seeking Alpha」の報告によると、リース氏は「特に2023年後半にはERPと倉庫の移行に起因する配送能力の制約が予想される。この短期間の収益見通しの引き下げにもかかわらず、HeyDudeは新規顧客を獲得しており、戦略的取引や沿岸部での浸透を図っている」と話したという。

 HeyDudeは2022年、Crocsが米国で12回のグループインタビューを実施した後、より多くの顧客を獲得するためにブランドアイデンティティーを一新した。

 「当社の卸売パートナーはHeyDudeの業績に非常に満足しているが、彼らの全体的な市場見通しとHeyDudeの業績に関する過去のデータが不十分なため、将来的な注文に対しては慎重な意見が多い」とリース氏は述べた。

 ERPの刷新と新しい倉庫の影響が合わさり、同社は費用の軽減と柔軟性の向上を期待している。

 HeyDudeは2023年、ERPの大幅な改革に取り組む企業グループに参加している。主にサラダを提供するファストフードチェーンのSweetgreenは、新しいERPシステムのクラウドコンピューティング機能を強化するため、460万ドルの償却費を見込んでいる(注3)。2023年7月第5週の決算報告によると、同社はこのコストを稼働後7年間で償却する計画だ。

 Fordは2021年に開始した数年にわたるプロジェクトで、既存の財務基幹システムの多くを置き換えるため、2023年5月に北米で残りのグローバル統合ERPシステムを立ち上げた(注4)。

 電化製品を販売するVerizonも、財務情報の流れを向上させてデータ分析を容易にし、情報伝達を加速させることを目的として、数年にわたるグローバルERPシステム導入を進めている(注5)。2023年7月第5週の6月30日締め決算説明会によると、このプロジェクトは2020年第3四半期に開始され、今後数年にわたって段階的に展開される予定だ。

(注1)Crocs, Inc. Completes Acquisition of Casual Footwear Brand HEYDUDE(Cision PR Newswire)
(注2)Crocs’ Heydude revamps its brand(Retail Dive)
(注3)SWEETGREEN, INC.(UNITED STATES SECURITIES AND EXCHANGE COMMISSION)
(注4)Ford Motor Company(UNITED STATES SECURITIES AND EXCHANGE COMMISSION)
(注5)Verizon Communications Inc.(UNITED STATES SECURITIES AND EXCHANGE COMMISSION)

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