FinOpsの拡大へ クラウドコスト管理の標準仕様「FOCUS」の運営委員会にAWSも参加CIO Dive

クラウドの費用や使用量、課金データの標準仕様FOCUSは、AWSやMicrosoft、Google Cloud、Oracleのサポートによって標準の範囲を拡大した。

» 2024年01月18日 08時00分 公開
[Matt AshareCIO Dive]

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 FinOps Foundationは2023年11月16日(現地時間)、クラウドの費用や使用量、課金データの標準仕様「FOCUS」(FinOps Open Cost and Usage Specification)のバージョン1.0を発表した。現在プレビュー段階にあるこの仕様は、2023年5月にリリースされた「FOCUS 0.5」の予備的な標準をベースにしている(注1)。

 最大手のクラウドプロバイダーの中で最近まで唯一参加していなかったAWS(Amazon Web Services)も、2023年10月にMicrosoftやGoogle Cloud、Oracleと共にプロジェクトの運営委員会に参加し、FOCUSに対するハイパースケーラーの幅広いサポートが期待できるようになった(注2)。

FOCUSはコストの可視化と管理に苦しむ企業の救いとなるのか?

 FinOps Foundationの最高技術責任者(CTO)、マイク・フラー氏は2023年11月16日の発表で、「FOCUSを通じて、主要なクラウドプロバイダーやFinOpsベンダー、主要なSaaSプロバイダー、先進的なFinOps企業との間で協力を促進し、クラウド請求データに対する統一された、実用的なフレームワークを確立する道を切り開いている」と述べた(注3)。

 FinOps Foundationは会員を拡大するとともに、オープンソースソフトウェアの仕様の範囲を広げている。

 FOCUSは当初、インフラコストの監視に限定されていたが、現在はSaaSデータセットやデータ変換ソリューション、割引・単価設定・料金透明性分析のユースケースを統合していると、発表では述べられた。

 この仕様にはCapital One FinancialやGoldman Sachs、Walmartなど、同財団に所属する企業の経験に基づく40以上のFOCUSユースケースのライブラリが含まれている。

 クラウドの導入に意欲的な企業は利用に応じた価格設定、確約された支出の割引き、分散化したITエコシステムなどによるコスト管理に苦しんでいる(注4)。

 ソフトウェアベンダーのFlexeraが2023年夏にIT専門家506人を対象に実施した調査によると、企業の3分の2以上がクラウドやSaaS、オンプレミスの資産にまたがるコストの可視化に苦慮しているという(注5)。

 FinOpsはクラウド支出を追跡し、超過分を特定して利用を合理化するためのプロセスとして登場した。「FOCUSの仕様はコストと利用データを正規化し、用語と慣行を標準化することを目的としている」と同財団は述べている。

 Forresterは、この取り組みが2024年には成功すると予想している。同社は2023年11月月初めの報告書でFOCUSの普及を予測し、「企業はチームやエンジニア、能力ごとのコストを把握するために何千ページにもわたるクラウド請求書を読み解くのにうんざりしている」と指摘した(注6)。

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