矢野経済研究所の調査によると、2025年は生成AIを活用する企業が4割を超えた。一方で、生成AIの"次"のトレンドとして注目される「ある技術」は、現時点での利用率がわずか3%にとどまる一方で、「導入検討中」「関心あり」を合わせると6割超に達している。
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生成AIをはじめとするAIの近年の“進化”はめざましい。異例のスピードでビジネスに浸透する生成AIのような例は今後も考えられるのだろうか。
この問いを考える上で参考になりそうなのが、矢野経済研究所が実施した国内企業における生成AI利用実態に関する調査(2025年12月19日発表)だ。
同調査は、2025年6月末〜9月初に国内の民間企業(プロセス製造業、加工組立製造業、サービス業、流通業、金融業)500社を対象に実施された。
矢野経済研究所の調査によると、生成AIは2025年調査では43.4%の企業が利用しており、わずか2年の間に利用率が1割未満から4割超に急拡大した。生成AIの「その次」として企業が注目している技術は何か。
生成AIサービスに話を戻すと、今回の調査では、生成AIについて「現在は活用していないが、将来的には活用したいと考えている」が23.4%を占めた。既に活用しているユーザー企業に加え、この活用意向層まで含めると、近い将来に生成AIを利用するユーザー企業の割合は8〜9割程度に達するとみられる。
矢野経済研究所によると、近年のITトレンドの中でも生成AIが浸透する速度は異例で、生成AIの業務プロセスへの組み込みを検討する動きが徐々に広がっている。人口減少という構造的課題を抱える日本では、労働力不足への対応を背景に業務効率化を進める手段の一つとして生成AIを位置付ける動きがあると同社はみている。
OpenAIの「ChatGPT」が登場した時期には、生成AIそのものへの理解を深めることを目的に、アイデア創出や文章作成といった汎用(はんよう)的な活用が中心であり、その段階では業務への適用範囲には限界があった。
こうした課題を補う手段として、外部データを参照して回答を生成する検索拡張生成(RAG)の活用が進み、特定の業界や業種に固有の業務にAIを適用する動きが広がった。RAG活用に取り組む先進的なユーザー企業は、より高度な活用を志向する傾向を強めている。
この動向を受け、AIサービスを提供するベンダー企業も、AIが自律的に業務を遂行する「AIエージェント」の実現に向けた取り組みを本格化させている。
矢野経済研究所は、今回の調査に当たって、AIエージェントを「目的のために自律的に行動するAI」と定義した。ベンダー企業によるAIエージェントサービスの展開が進む一方で、ユーザー企業での利用はこれからだと同社はみている。
今回の調査で、「生成AIを活用している」と回答した企業215社のうち、AIエージェントを「利用中」は3.3%にとどまった。現状ではAIエージェントの利用に踏み込んでいるのは先行的な一部企業に限られるのが実状だ。
ただし、「導入検討中」が13.5%、「関心あり(情報収集中)」が49.3%となっており、前向きな回答が6割超を占めることから、矢野経済研究所は将来的にAIエージェントの導入が徐々に広がっていく可能性が高いと見ている。
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