GroupBoard無料体験サービス

GroupBoardで養う「時間=コスト感覚」こそ中小企業に必要だ

結婚式場などを営む神田株式会社のシステム開発事業部「クオリティー」では2005年7月、Windows SB ServerとGroupBoardを導入した。情報共有の実現により、業務効率を劇的に向上させたという。その具体的な効果をビジネス視点から検討する。

事業部誕生のきっかけは大学生の作った管理システム

 結婚式場や貸し会議室業を営む神田株式会社(兵庫県明石市)は、創業45年を迎える老舗サービス企業。グループ会社にはタクシー会社・ゴルフ場や建築会社もあり、幅広いビジネスを展開している。


写真1■谷吉将氏

 同社は社内に「クオリティー」というシステム開発事業部を持っており、ここではタクシー会社やゴルフ場向けの管理システムを開発・販売している。同事業部では今年7月、「Windows Small Business Server2003」(以下Windows SB Server)と「GroupBoardワークスペース」(以下グループボード)を導入し、情報とスケジュールの共有を実現。神田株式会社の代表取締役専務であり、クオリティー事業を総括する谷吉将氏(写真1)は「『社員の動く時間=お金』という意識が生まれたことで、経営上の“打ち手”も立てやすくなりました」と語る。

 もともと同事業部は、「25年前、タクシー会社を経営する父から日報システム開発の相談を受けたのが現在の事業の始まりでした」(谷氏)と現在のビジネス誕生のきっかけを説明する。マイコン好き(当時は個人用コンピュータは「マイコン」と呼ばれていた)だった谷氏は大学生の時、「タクシー会社の日報をコンピュータで簡単に処理したい」という父親からの依頼を受け、その知識を活かして管理プログラムを開発。大学卒業後には現在のクオリティー事業部を立ち上げ、グループ会社のゴルフ会社の管理システムも手がけるようになった。

 当時は企業システムといえば、1億円もするような大型汎用機がメインだった時代。それをマイコン=パソコンによる安価なシステムで置き換えることで、圧倒的にコストを削減できた。

 クオリティーが開発した管理システムは評判を呼び、「パッケージとして販売してくれないか」という要望が相次いだ。現在両製品は、Windows ServerとSQL Serverを組み合わせたオープン系のクライアント/サーバ型システムに進化し、多くのタクシー会社やゴルフ場で利用されているという。

社員が増えたことで情報共有の必要性を痛感

 事業の伸びと共に、事業部の人員も少しずつ増え始めた。現在は谷氏のほか、開発、営業で各4名の合計9名のスタッフがいる。

 だが少人数ではあるものの、人数が増えてくると、誰がどこで何をしているのか、だんだんと分かりにくくなってきた。営業職は基本的に外回り業務が中心であり、開発職も顧客のサポートのため外出していることが多い。そのため、社内での情報共有の必要性が痛感されるようになった。

 谷氏自身、「社長から事業部に電話がかかってきて、『専務はどこへ行った?』と聞かれても誰も答えられなくて困っていました。ですので、直接のきっかけは私かもしれません」と笑いながら語る。

 そこで社内の情報共有促進のため、グループウェアの導入を決定。各グループウェア製品を検討した結果、最終的にWindows SB Serverとグループボードの組み合わせを選択した。スケジュール共有や掲示板、施設予約など必要となる機能はすべて網羅されており、直感的に分かりやすいインターフェイスを備えていたためだ。

 また選択理由には、「Windows SB Serverに対する技術知識を高めたい」という意図もあった。クオリティー事業部が開発・販売しているタクシー会社・ゴルフ場システムは、先述したようにWindows Server+SQL Server上のアーキテクチャだが、クライアント数の少ない顧客企業にはWindows SB Serverによるシステム構成を勧めているという。そのため、自社自身でWindows SB Serverに精通する必要もあったそうだ。


写真2■山津一也氏


画面1■メンバーのスケジュールを日・週・月単位で一覧できる。これを見れば、いつ会議を行えるかということも一目で分かる


画面2■メンバー各員がこなさなければいけない仕事は、細かなものも含めてToDoにアップ。これにより、仕事をスムーズに割り振ることができる


画面3■神田株式会社で使われている行き先掲示板。特定のメンバーへの伝言がある時は、「電話メモ」に書き込んでおくことができる

Windows SB ServerとGroupBoardにより無駄な時間を解消

 こうして今年7月、Windows SB Serverとグループボードのシステムが稼働を開始。情報共有に利用しているのは、グループボードのスケジュール、行き先掲示板、設備予約、ToDoの各機能だ。またWindows SB Serverに備わっているFAX共有機能も大いに活用しているという(FAX共有機能については後編)。

 システム開発部長の山津一也氏(写真2)は「パソコンさえ立ち上がっていれば、ホワイトボードを使うよりも簡単に予定を書き込めます」という(画面1)。

 全員のスケジュールとToDoが見られるようになったことで、予定だけでなく取り組んでいる案件の内容まで一目で分かるようになった。これにより、仕事の割り振りもスムーズになった(画面2)。

 設備予約機能は、会議室やプロジェクタ、社用車を管理するために使っている。これらの機能を使うことで、「無駄な時間を減らすことができました」と谷氏は語る。

 「これまでも全員が自分のスケジュールを提出してはいましたが、予定は常に変更になるものですから、現在どうなっているのか見えない部分がありました。そのため、会議をするにしても、いちいち全員に確認しなければならなかったのです。しかしグループボードを使うことで、会議をいつ行うかもすぐに決められるようになり、無駄な時間がなくなりました。これは全員が実感していると思います」(谷氏)

 グループボードの導入により、仕事の進め方やプロセスも効率的になった。

 「これまで見積書は、メールでいったん私のところに集まっていました。得意先にそれを提出する段になると、過去のメールからそれを探さなければなりません。そこでグループボードのスケジュール機能が役立ちます。『A社へ見積書提出』というスケジュールを入力したら、見積書をそこに添付してしまうわけです。こうやって貼り付けておけば、全員がその情報を閲覧できます。見積書に限らず、必要な書類はスケジュールに添付しようと思います」(谷氏)

 グループボードの利用範囲は、社内だけにとどまらない。同社では、営業マンなど外に出る社員は全員ノートパソコンを携帯しているが、社外からでもグループボードにアクセスできるような仕組みを構築。具体的にはVPNを組むことで、外回りの営業マンはPHS通信カードを使ってインターネット経由でVPNに接続し、社内のグループボードにアクセスする(VPNについては後編)。これにより、時間の制約や社内・社外を問わず、誰もが同じ情報を共有できるようになった。

情報共有により各社員がコスト意識を持つようになる

 グループボードによる情報共有は、企業をどのように変えていくのか。 「社員が働いている時間というのは、すなわちお金です。グループボードのような仕組みを利用することで、社員の動いている時間が見えると、経営者は次の戦略を立てられるようになります。さらに、経営者にとってだけでなく、一般の営業や開発担当も自分の動いている時間を“コスト”として意識するようになるでしょう。ここの部分がいちばん重要だと思います。

 グループボードのようなツールを使って社員がコスト意識を持つことは、これから日本企業の経営にとって必ず必要になってくると思います。すでにこうした取り組みを行っているところもありますが、中小企業では管理できていないところもあります。これをクリアすることで、企業として次のステップが見えてくるのです」(谷氏)

行き先掲示板(グループボード)
グループボードの便利な機能の1つが「行き先掲示板」だ(画面3)。ウェブブラウザを使って、グループボードにアクセスすると、チームメンバーがどこにいるのかが一目で把握できる。連絡先を明記するようにしておけば、会社からメンバーに対してメールを送ることもできる。 また出先のパソコンからグループボードへアクセスすることも可能。急に事業部スタッフへ連絡を取る必要ができた場合でも、あわてる必要がない。

[山路達也, ITmedia]

提供:マイクロソフト株式会社
企画:アイティメディア 営業局/制作:ITmediaエンタープライズ 編集部/掲載内容有効期限:2006年6月30日