株式会社バリューシステムサービス代表取締役社長、安河内利幸氏


図1■福岡農産のシステム構成図。事務室などと工場は無線LANで接続されている。Windows SB Server2003のサーバーは社長室に設置。インターネット回線はADSLで、メールサーバーは外部プロバイダーのものを利用している


メンテナンスを請け負っている顧客は、この福岡農産をはじめとして、株式会社バリューシステムサービスから遠く離れた企業も少なくない。こうした企業を効率的かつ効果的にサポートするためには、リモート管理機能が必須になる


株式会社バリューシステムサービスではリモートメンテナンスを最大限に活用することにより、中小規模事業所向けの低料金のサポートサービスを実現している


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ワンパッケージならではの手軽さと低価格、そして分かりやすさが導入の決め手に

福岡農産では、Windows SB Server 2003を導入することで業務のスピードアップとシステム信頼性の向上を実現できた。今回は、システムベンダー側から見たWindows SB Server 2003のメリットを明らかにしていこう。

ワンパッケージですべての機能が実現できるWindows SB Server

 福岡県福岡市の株式会社バリューシステムサービスは、マイクロソフト IT推進全国会パートナーであり、主に中小規模事業所向けの販売管理や生産管理システムを開発・販売を行っているシステムベンダーだ。2001年、福岡農産の社内システムについて相談を受けた株式会社株式会社バリューシステムサービス代表取締役社長、安河内利幸氏は、Windows SB Server 2000による情報共有システムを提案できないかと考える。

 では、なぜWindows SB Server 2000だったのか。その答えは「ワンパッケージ」にある。

 「おすすめする側からいえば、Windows SB Server 2000はワンパッケージになっているので扱いやすいんですね。お客様には、自社ドメインでメールアドレスを作りたい、Webページを開設したいといったそれぞれの要求があります。以前は、弊社でもこういった要求に応えるため、さまざまなサードパーティ製のソフトウェアを組み合わせて使っていました。ところがサーバ用の製品は、組み合わせてきちんと動くのか検証するのが非常に面倒なのです。Windows SB Server 2000なら窓口はマイクロソフト1社ですから、トラブル時の対応も楽になります」(安河内氏)

 コスト面も大きな要素だった。中小規模事業所で利用されるクライアント数はたいていが15程度、多くても30あれば収まることがほとんどだ。実際の社員数はそれより多かったとしても、製造現場などでは全員がユーザー登録しなければならないことはそれほど多くない。30ユーザーまでの規模であれば、Windows SB Server 2000のコストパフォーマンスが最も高いと考えられた。

 しかしコスト面からいえば、より安価に入手できるLinuxを使うという手段もあったのではないだろうか。

 「Linuxは管理作業が煩雑になりがちです。もう1つ、トラブルが起こった時、対応窓口がどこかはっきりしないという問題があります。」(安河内氏)

 また、GroupBoardも魅力だったと安河内氏はいう。「他社製グループウェアは多機能なのですが、初めて使う人には機能が多すぎて大変なのではないかと思いました。福岡農産さんはすでに共有ファイルを使いこなしていましたからそれは今まで通り使っていただき、加えてシンプルなスケジュール機能を使っていただこうと考えたのです」

プリインストール済みマシンでWindows SB Server 2003を安価に導入

 福岡農産へWindows SB Server 2000を導入、そして2005年9月にはWindows SB Server 2003にシステムを変更。この際には既存のシステムをバージョンアップするのではなく、Windows SB Server 2003プリインストール済みのサーバマシンを購入してネットワークに追加する形を取った。これはシステムのトラブルを避けるためでもあるが、コスト的な要因も大きかった。何しろWindows SB Server 2003プリインストール済みのサーバマシンは、製品によってはWindows SB Server 2003単体よりも安価に売られているのだ。すでに古くなっていた(Windows SB Server 2000をインストールした)サーバマシンを使い続けるより、新しいサーバを使う方がコスト面でも安全面でも断然有利だったのである。

 株式会社バリューシステムサービスは金曜日の夜にWindows SB Server 2000のマシンを福岡農産から引き上げて作業を開始した。Windows SB Server 2000で登録していたのと同じユーザーアカウントをWindows SB Server 2003上に作り、必要なデータを古いマシンから引き継げば作業は完了。福岡農産の社員は、システムが変わったことをまったく意識することなく、月曜日からいつも通りに業務を進めることができたという。

低価格でメンテナンスを提供できる秘訣はリモート管理

 システムベンダーにとって導入作業以上に重要なのが、メンテナンス作業がいかに容易にできるかだ。株式会社バリューシステムサービスは、Windows SB Serverベースのシステムメンテナンスを月額数千円という低料金で行っている。これが可能なのも、Windows SB Serverの強力なリモート管理機能を利用しているからだ。もちろん、ハードウェアやケーブルなどが原因のトラブルは現地に赴く必要があるものの、ほとんどのトラブルはリモート管理機能だけで事足りるという。ただし、Windows SB Server 2003に変えてからはOSの信頼性も向上しており、大きなトラブルは特に起こっていないそうだ。

 先述したようにWindows SB Serverが「ワンパッケージ」であるということも、メンテナンスを容易にしている。同社の顧客はWindows SB Server 2000とWindows SB Server 2003のいずれかを利用しているが、リモートメンテナンスを行う際には株式会社バリューシステムサービス側の環境も顧客側に合わせておいた方がよい。こうすることで、顧客側で行うべき操作も確実に指示できるからだ。株式会社バリューシステムサービスでは、抜き差しできるリムーバブルケースにハードディスクを収めてメンテナンス用環境を構築。Windows SB Server 2000用、Windows SB Server 2003用という2つのリムーバブルケースを差し替えるだけで、簡単に2つの環境を切り替えられるようにしている。

 複数のソフトウェアを組み合わせたシステムを提供する場合、顧客ごとに細かくメンテナンス環境を用意しなければならないが、Windows SB Serverであればバージョンごとの環境を用意しておくだけでよい。この手軽さは、システムベンダーにとって大きなメリットだ。

シャドウコピーによって、重要ファイルをしっかり保護する

 Windows SB Server 2003では、Windows SB Server 2000に比べて管理者向け機能も大幅に強化されている。代表的なものが「共有フォルダのシャドウコピー」である。

 Windowsで不要なファイルを削除した場合、そのファイルはいったんごみ箱に保存されるため、後で必要になっても(ごみ箱を空にしていなければ)いつでも取り出せる。しかし、これはパソコン内のハードディスク上にあるファイルの場合だけだ。サーバ上の共有フォルダにあるファイルについては、削除を行うとそのまま完全に消去されてしまう。すべてのデータをサーバ上に置くように徹底している福岡農産の場合、一般ユーザーが共有フォルダ内のファイルを消してしまって困ることが多かったという。

 このようなトラブルは、Windows SB Server 2003に搭載されている「共有フォルダのシャドウコピー」機能によって激減した。Windows SB Server 2003では、共有フォルダ内に置かれたファイルの履歴が定期的に記録されている。そのため、間違ってファイルを消去したり、上書きしてしまった場合でも元ファイルを復元できる可能性がWindows SB Server 2000よりはるかに高いのだ。この作業もリモートで簡単に行えるので、顧客・サポート側の双方がスムーズに業務を進めることができる。

Webパーツを活用して、社内ポータルサイトを構築

 安河内氏はWindows SB Serverの魅力を次のように語る。

 「Windows Serverファミリーで中小規模事業所向けにつくられたWindows SB Serverはとても売りやすいシステムですね。お客様の要望を満たせる機能が搭載されているし、管理者としてメンテナンスしやすく、値段も安い。Windows SB Serverはマイクロソフトの製品だけに将来的にも継続して使え、サポートもしてもらえるという安心感があります」(安河内氏)

 また、GroupBoardワークスペースでは「Webパーツ」という形でユーザーにとって便利な機能を自由に追加していけるようになっている。

 「販売管理などの業務系とGroupBoardワークスペースのような情報系は別々のシステムですが、ユーザーから見れば両方を合わせてはじめて経営が成り立つものです。こうしたデータを別々に見るのではなく、いっしょに管理できるようになればもっと便利になるでしょう。弊社は業務管理システムも手がけていますから、今後はWebパーツを作り込んで、GroupBoardワークスペース上から売上情報なども見られるようにしていきたいと思っています。いわば社内ポータルサイトですね。社員ごとに必要なデータを1画面で見られるようになれば理想的でしょう」(安河内氏)

[山路達也, ITmedia]

提供:マイクロソフト株式会社
企画:アイティメディア 営業局/制作:ITmediaエンタープライズ 編集部/掲載内容有効期限:2006年6月30日