今回、貴重なコメント(泣き声)をいただいたのは、木船達元氏だ。同氏は生後2カ月と、トライアルの対象としてはまさに理想的なケースといえる。
もっとも達元くん、取材日はことのほか機嫌がよく、ほとんど泣いてくれなかった。とりあえず、端末を赤ちゃんのそばにセットして、その場を去ることにした。
5日後、再びお宅におじゃまして、母親である木船安子さんに感想をうかがった。木船安子さんによれば、5日間使用を続けるうち、5つのパターンがひととおり表示されたという。
「ただ、多かったのは『不快』と『ストレス』。この2つがほとんどでした」。
赤ちゃんが泣く以上、不快であるには違いないのだが、この端末でいう“不快”とは「おむつ、擦り傷、衣服のしめつけなどをチェック」すべき状態。ちなみに、“ストレス”は残念ながら特に説明されていない。
ところで、端末が分析したとおりに対応すると、見事赤ちゃんは泣き止んだのだろうか?
「それが、ミルクを飲ませるとたいてい寝ちゃうんで……」。
木船さんの場合、まず泣き声を分析にかけて、判定を待った上で、素早く対応を選択する――といった状況は、あまりなかったようだ。とりあえず抱っこしてあやしたり、ミルクを飲ませたり、おしめを替えてみたりといろいろ試すうちに、たいていは泣き止んだという。これはもっともなこと。
木船安子さんはまた、仮に「退屈」と表示されても、眠そうだと判断したら、寝かしつけたという。それで赤ちゃんが眠ったら、よしとした、とも話した。
WhyCryでは、分析結果が5種類しかなく、一見して大雑把なようにも思える。また前述のとおり、親は赤ちゃんに対して複数のストレス源を想定し、それらをひとつずつつぶすよう対応するため、ほとんどの場合は分析を待つ必要はないかもしれない。
ただ、「あれもこれも試したが、それでも泣き止んでくれない」という状況になったとき、どうするか。赤ちゃんに不慣れな新米の父親などにとっては、WhyCryはやはり、最後の頼みの綱として頼りになる端末だろう。
木船安子さんはまた、夕方になって母親が慌しくなると、赤ちゃんが雰囲気の変化を敏感に感じとって泣くことがあるようだ、とも話す。
やはり、赤ちゃんの精神状態を安定させるには、親がゆとりを持って臨むのが一番。そう考えるなら、育児に自信がない段階でWhyCryという「安心」を1万6800円で買うことは、1つの選択肢といえるかもしれない。
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