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まもなく審議――著作権法改正について注目が集まるLifeStyle Weekly Access Top10

» 2004年05月23日 13時28分 公開
[渡邊宏,ITmedia]

 いつの時代にも「腕時計型」のアイテムは心くすぐるもの。TVが1人1台の時代になって久しいが、それが腕時計型というならば、話は別。これまでにもデジカメやPHSが腕時計型として登場したが、ありそうでなかったのがTV(まったく無かったわけではないが…)。久々の“グッとくるアイテム”として読者の心をつかんだようだ。

 また、先週に引き続き著作権関連の話題が複数ランクイン。先週から数えると連載記事は4回、関連記事も複数あったがいずれも注目を集めており、関心の高さが伺える。

 この著作権法改正問題、実に複雑な問題だ。「輸入CDが今のように買えなくなるのは困る」という消費者の意見も理解できるし、「コンテンツを国外へ輸出できるようにしないと、資源に乏しい日本の将来が危ない」という文化庁の意見も理解できる。「海外からの邦楽逆輸入CDが増えると日本のレコード産業が危なくなる」というレコ協の意見も、分からなくもない。音楽産業に携わる人の中にはこの法案に賛成する人もいるだろう。

 しかし、筆者が取材を通して感じたのは、CDを購入する消費者の意見があまりにも反映されていないことだった。3者の意見はいずれも理解できるが、少なくとも今回行われようとしている著作権法改正では、消費者の「これまで通りにCDを買う権利」が奪われる危険性を持っていると言わざるを得ない。

 文化庁とレコ協は還流盤の輸入制限ができればいいと主張しているが、還流盤といっても海賊版ではないし、正規の著作権料はアーティスト側へ支払われている。還流盤はアーティスト名や歌詞が現地語に訳されていることも多く、コアなファンならばコレクターズアイテムとして揃えておきたいようなものもある。これを専門にコレクションしている人もいることだろう。

 「音楽」という文化的な側面があるからこそ、これまで再販制度も認められてきたわけだが、購入する消費者あってのCDでもある。衆議院での審議もまもなく始まるが、消費者が納得いく形での決着を望む。

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