VHS一体型のDVDレコーダーがますます元気だ。今週は、松下「DMR-E150V」が3位に浮上し、東芝「D-VR1」が8位にランクイン。やはり4機種がトップ10に名を連ねている。その人気の理由を、データ提供元のジーエフケー マーケティング サービス ジャパン(GfK Japan)に分析してもらおう。
順位 | 前回 | メーカー名 | 型番 | 発売年月日 | 標準価格 |
---|---|---|---|---|---|
1 | 1 | 松下電器産業 | DMR-E85H | 2004/4/1 | オープン |
2 | 2 | ソニー | RDR-HX8 | 2003/11/21 | オープン |
3 | 8 | 松下電器産業 | DMR-E150V | 2004/6/21 | オープン |
4 | 6 | ソニー | RDR-VD60 | 2004/4/1 | オープン |
5 | 3 | パイオニア | DVR-510H | 2003/10/1 | オープン |
6 | 4 | 松下電器産業 | DMR-E95H | 2004/5/10 | オープン |
7 | 7 | ソニー | RDR-HX6 | 2004/4/1 | オープン |
8 | 14 | 東芝 | D-VR1 | 2003/12/1 | オープン |
9 | 5 | 東芝 | RD-XS32 | 2003/12/1 | オープン |
10 | 9 | 松下電器産業 | DMR-E75V | 2004/4/21 | オープン |
この記事では、マーケティング会社GfK Japan調べによる全国3500店舗の量販店(家電量販店、カメラ販売店、PC専門店)のPOSデータを集計し、モデル別のランキングで紹介しています
VHS一体型DVDレコーダーの先駆けは、2003年春に松下電器産業が投入した「DMR-E70V」。実に先週までランクインしていたロングヒットモデルだが、「発売当初、松下側もあまり売れるとは考えていなかった」という。
しかし、蓋を開けてみたら大人気。「DVDレコーダーに買い換えたいが、VHSの資産がたくさん残っている。それを捨ててまで移行できないユーザーにとって、一体型は“うってつけ”の商品だった」(GfK Japan)。実際、昨年はかなりの長期間にわたり、E70がランキングトップの位置を守っていた(関連記事)。
メーカーにとっては嬉しい誤算だが、売れると分かったら他社も黙ってはいない。シャープ、ソニー、東芝といった大手メーカーが、軒並みVHS一体型DVDレコーダーを投入した。とくにソニーは、いったん手を引いたかのように見えたものの、再参入の形で4月に「RDR-VD60」を発売。一方、松下やシャープは“HDD&DVD&VHS”の3 in 1タイプを投入し、中でも松下の「DMR-E150V」は、先週8位から今週3位にジャンプアップしたほどの人気ぶりを見せている。
もっとも、ユーザーはVHSで“録画する”ことを目的としているわけではないようだ。たとえば、自分で録画したテープなら、DVDへダビングしてコンパクトに残すことも可能だが、VHSパッケージソフトの多くはコピーガードのためダビング不可。むしろ「再生専用機」としての色合いが強いとジーエフケーでは指摘している。
「少なくとも、VHSに対するニーズはまだ萎んでいない。過渡的な需要と思われがちだが、VHSビデオデッキも依然として相当数が販売されている。ハイブリッド型DVDレコーダーとともに、VHSデッキも長期間にわたって市場に残っていくのではないか」(GfK Japan)。
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