2004年春〜夏モデルではマストアイテムになりつつあるEPGだが、使い勝手の差も無視できない。新聞のテレビ欄やテレビ情報誌のようなマトリックス表示を採用したのが松下電器、東芝、日本ビクター、三菱電機。一覧性を重視した「テレビ欄スタイル」で、「今日明日はどんな番組があるかな」といった感覚で、決まった番組というよりは日々の気になる番組を予約といった使い方に適している。
上記の3社以外が採用しているのが1列表示で、チャンネル単位、時間単位で複数チャンネル分をまとめて表示するタイプ。一覧性よりは情報量を重視しているといえ、特定チャンネル、特定時間帯の録画が多い人に向いているといえる。
マトリックスでも1列表示も一長一短あるわけだが、“とっつき易さ”という点ではマトリックス表示のほうが上だ。見慣れたデザインは大きなメリットで、番組検索などの高度な機能は使わず、EPGのベーシックな部分を活用したい人にはマトリックスタイプのEPGを採用した製品が使い易い。
EPGが生んだ副産物が、いわゆる「スポーツ中継延長対応」だ。プロ野球を中心ゴールデンタイムに放送されるスポーツ中継は、最大1時程度延長されることが多く、それ以降の番組放送時間に影響を与える。そこでEPGから延長の可能性がある番組を認識し、以降の番組の予約で録画終了時間を延長する機能があると便利だ。
この機能には、松下電器、東芝、パイオニア、ソニーのPSXを除く多くの製品が対応しており、例えば日立では、最新の録画3番組を常に延長録画しておくという機能で実現した。NEC製品では警告のみに留まり、手動で録画終了時間を延長するスタイルだ。地上波で主に21:00以降の連ドラやもともと放送時間変動の激しい深夜番組を録画する事が多い人には必須の機能とも言えるだろう。
設定したキーワードで番組名や出演者を検索し、自動で録画を行う「おまかせ録画」は、ソニーの「スゴ録」とNEC「AX-300H/300L」がサポートする。番組名をキーワードにすれば、放送時間の変動が多い深夜番組なども確実に録画できる。
各社のEPGの中でも特徴的なのは、やはり東芝「RD-XS53/43」の「DEPG」。一覧性を重視し、最大で8チャンネル/6時間分の番組を一画面に表示できる。一覧性の高いiEPGになれたPCユーザーがもっとも違和感が少なく利用できるはずだ。インターネットとLAN接続が必要な点は確かに手間だが、LAN接続したPCからiEPGを利用して録画予約したり、録画予約を確認したり、はたまたリビングに置いたRD-XS53/43をプライベートルームのPCからコントロールするといったこともできる。手間をかける価値はある。
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