DVDレコーダーの主力となっているHDD+DVDハイブリッドレコーダーは、2004年に入って日立製作所、日本ビクター、三菱電機といったメジャーメーカーの本格参入によって大きく賑わった。いずれもVHSデッキでは名を馳せたメーカーであり、これまで参入していなかったのが不思議なくらいだ。
これら新規参入メーカーの製品を含め、2004年春夏モデルの主力は実売10万以下が目安の普及モデルが中心。従来はAVフリーク層が中心であった購買層が、オリンピック特需で一気に拡大し、VHSデッキからの買い換えを中心とした一般ユーザー層への広がりを見せている。
昨年、“3強”といわれた松下電器産業、パイオニア、東芝までもがハイエンドモデルの新製品投入を見送り、普及モデルの充実を図った。昨年登場した「スゴ録」で一気にシェアを拡大したソニーですら、「スゴ録」の最廉価モデルと「PSX」マイナーチェンジ版の投入にとどまっている。
その引き換えに、といってはなんだが、各社が最新製品を投入した普及モデルは一気に機能充実した。昨年来ハイエンドモデル中心に搭載されつつ「普及モデルにこそ必要では?」と言われ続けたEPGの普及モデルへの採用が進み、パイオニアのようにEPG採用を全面に打ち出したメーカーもある。
HDD容量も160Gバイトが事実上スタンダードになり、画質より録画時間を優先した“EP8時間モード”を導入した製品も多かったことから、HDDへ録画可能な時間もゆうに最大300時間を超える製品が多く登場している。昨年まではハイエンドモデルでも160Gバイトの製品があったから、一気に底上げされた形だ。
多分にオーバースペックな感もあるが、購買層が一般的であればあるほど具体的にHDDの容量がどれだけ必要なのかは把握しにくい。こういった層に訴求するには、HDD容量や最大録画時間が非常に分かりやすいといった側面がある。
DVDメディア片面に8時間の録画ができるEP8時間モードも利便性は認めるが、どちらかというと最大録画時間を長く見せるために採用したのでは? とすら思える。録画先がDVDメディアのみのDVDレコーダーならともかく、HDD+DVDレコーダーでは必須の機能とは思えない。画質は問わないからできるだけ少ないDVDメディアにシリーズ番組などを保存したいというスタイルなら役立つと思うが、製品選択時にあまり重視する必要はないだろう。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
Special
PR