ITmedia NEWS >

“空調服”を着て街に出よう!?LifeStyle Weekly Access Top10(2004年8月13日〜19日)

» 2004年08月20日 21時48分 公開
[芹澤隆徳,ITmedia]

 今年の夏はアツい。アテネオリンピックの話ではなく、純粋に気温の話だ。最高気温が30度以上の日を「真夏日」というが、東京では連日のように35度前後をマークし、連続真夏日記録もあっさり更新。今日、8月20日金曜日は、最高気温36.5度で東京が全国一位だったそうな。オリンピックと違い、嬉しくない一位である。

 ちなみにYahoo!天気情報によると、東京の汗かき指数は、「Ban」が4本。“吹き出すように汗が出てびっしょり”だ(一応解説しておくと、Banは、ライオンが販売しているデオドラントスプレー。要はスポンサーなのね)。

 こうなると辛いのは、Yシャツ&ネクタイ姿で外を歩き回らなければならないサラリーマン。真夏のスーツ姿は、ほとんど理不尽な拷問を受けているようなものだ。自分の汗がシャツを濡らし、肌にへばりつく気持ち悪さは、ほかに例えようのない苦痛となる。そんなとき、人は「空調服」を求めるのかもしれない。

 空調服は、背中についた2基のファンが、体全体に風を送って汗を気化。気化熱で体が冷えるという仕組み。お風呂上がりの濡れた体に扇風機が心地よいのと同じ原理だ(あ。またコピペだ)。その効果は記事に書いた通り。さらに汗をすべて気化させてしまえば、体臭や“あせも”も防げるという。Banいらずだ。

 とはいえ、2つのファンが背中にへばりついた姿は、なかなかインパクトがある。しかも、服の外側から空気を取り込み、内側に吹き付ける仕組みのため、上着を羽織ることはできない。“工場の作業着”ならともかく、Yシャツタイプを着て街へ出るのはかなり勇気がいるだろう。

 しかし、世の中には勇者がいるものだ。わがライフスタイル編集部のO記者は、地下鉄「丸の内線」の車内で空調服(Yシャツタイプ)を着た男性を見たことがあるらしい。丸の内線といえば、都内でもメジャーな地下鉄路線。証言によると、その男性はサラリーマン風で、周囲の視線を気にする様子もなく、堂々と車両の中央に立っていたという。しかも、パソコンが入っていると思われる鞄を抱えていた……IT戦士の鑑である。


 携帯電話がまだ一般的ではなかったころ、電車の中で通話している人は、好奇と迷惑さが入り交じった冷たい視線にさらされたものだ(今は好奇の視線がなくなり、迷惑なだけ)。

 その点、空調服の音は小さいし、ファンから熱気を出すわけでもないから、周囲も携帯電話より受け入れやすいはず。仮に皆が着るようになれば、少なくとも好奇の目で見られることもなくなるだろう。そのためには、もう少し目立たない、あるいはファンの部分をファッションとして取り込めるようなデザインの空調服が必要だ。

 そして空調服が広く普及したとき、“汗かき指数”は、空冷ファンの数で表現されているのかもしれない。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.