ITmedia NEWS >

“ミニチュア的な愛らしさ”に本格仕様――デノン「DHT-M330」レビュー:5.1chサラウンドシステム特集(3/3 ページ)

» 2004年11月29日 13時00分 公開
[浅井研二,ITmedia]
前のページへ 1|2|3       

 操作はリモコンで行えるほか、本体にもいくつかのボタンは装備しているので、基本操作は本体のみでも可能だ。ヘッドホンを端子に接続すれば、スピーカー出力はオフになり、即座にドルビーヘッドホンモードへ切り替わる。DH1(残響音の少ない小さな部屋をシミュレート)、DH2(ややライブな部屋)、DH3(大きな部屋の距離感や拡散効果を再現)、BYPASS(ステレオ再生)の4モードのほか、アナログサラウンドデコード時もCINEMA/MUSICの2モードから選べる。

photo 本体前面にもボタンがあり、サラウンドモード、サラウンドパラメータ、プリセットイコライザ、MENU/SET、SELECT(←/→)の基本操作は可能

 音に関しては、「HTP-S2」を超えるレベルの品質と感じた。フロントとリアの4本のスピーカーが同一で、サラウンド再生時のバランスに関しては文句なし。センターも形状やユニットの数こそ違うが、使用ユニットは同じで特性はほぼ統一されている。しかも、意外とよく鳴るので、ある程度広い部屋でも対応可能だ。

 気になる音の分離に関しても、さほど問題は感じなかった。また、2chダイレクトでも十分に力のある音が出せるので、音楽再生でも5chステレオモードに頼る必要はないと思う。ただ、難をいえば、重低音が少しうるさい性質に感じられる。一方、小音量時には急激に力が弱まり、印象が薄くなってしまう。しかも、イコライジング機能は皆無(前述のプリセットのみ)なので、自分で好みの音に調整することも不可能だ。

photo サブウーファーの底を覗くと、2つのユニットらしきものが見えるが、1ウェイスピーカーなので、もう1つはバスレフ。底面にはコルクが貼られている

 全体的には、ハード、音ともにコストパフォーマンスはかなり高く、箱から出して、1つひとつのパーツを確認した瞬間に、実売で3万円台後半という価格以上の、満足感を得られると思う(ただし、リモコンだけはかなりチープだが)。DVDの音声をテレビの内蔵スピーカーで楽しんでいるという人には、ぜひとも導入を検討してみてもらいたい製品だ。オプションにはDVDプレーヤーのほか、MDレコーダーやカセットデッキもあり、操作も連携可能なので、ミニコンポの代わりに買うというセンも。

 また、姉妹製品として、フロントとリアをフロアタイプ(トールボーイ)スピーカーに置き換えた「DHT-M730」もある。小型スピーカーは設置に困ることが多く、また、場所によって音も左右されるが、フロアタイプならスペースさえ確保できれば、その点では有利。今回は5万円以下という括りなので取り上げなかったが、6万円前後で購入可能なので、興味のある人は検討を。

前のページへ 1|2|3       

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.