市場を賑わしている“5万円以下の5.1chサラウンドシステム”のレビュー連載。初回のパイオニア「HTP-S2」に続いては、デノンのホームシアターシステム「DHT-M330」を取り上げよう。「HTP-S2」ではリアスピーカーのワイヤレス化というギミックが目を引いたが、「DHT-M330」は非常にオーソドックスな構成だ。
箱を開けると、まったく同じ4本のスピーカー(フロントL/R、リアL/R)と、横型のセンタースピーカー、サブウーファー、そしてアンプが入っている。サブウーファーこそ意外に本格的なサイズだが、ほかは当然ながらすべて小型。ウッドキャビネットの質感を活かした木目(シルバータイプもあり)は、決して格調高くはないが、ミニチュア的な愛くるしさを醸し出す。
特にセンタースピーカーはサランネットを外すと、小さいながらもフルレンジ×2+トゥイーターの3ユニットが並び、なんともいえない印象だ(要は、かわいい……)。ほかは2ウェイながら、なかなかの面構え。こうなると、サランネットを外して置きたいと思う人も多いだろう。スピーカーの形状は、完全な直方体ではなく、側面に膨らみがつけられている。このカーブフォームは、音質に影響を及ぼす定在波を減少させる効果も持たせているという。また、すべて防磁タイプになっている。
フロント/リアスピーカーの設置については、背面の壁掛け用フックが利用できるほか、別売で床置きスタンド、天井吊りブラケットが用意されている(フロント用テレビサイドブラケットもあり)。また、センタースピーカー用の台座は、標準で付属している。床や棚に置く際に、上向きや下向きに調整可能だ。単純な構造だが、スピーカーに触れる上面、および底面にはコルクパッドもつけられており、細かい配慮が感じられる。
スピーカーケーブルはパイオニア「HTP-S2」と同じく、アンプ側がコネクタ、スピーカー側がバラ。ただ、長さがちょっと違う。「HTP-S2」ではフロント、センターともに5メートル程度(リアはワイヤレス)とかなり余裕があったのに対し、この製品ではフロントセンターは3メートルとやや短く、逆にリアは10メートルとかなり長い。そのため、アンプをフロントやセンターとの並びではなく、リスニングポイントの横のラックに置くといった変則的な設置では、少し苦労するかもしれない。
接続方法も同様で、スピーカー側のラベルとケーブルのラベルのカラーを合わせればいい(+/−はラベルが巻かれたほうが赤)。ただ、フロント、リアの4本はどれをどこに使ってもいいので、スピーカーの裏側に記されたFL/FR/SL/SRのカラー対応を確認しつつ自分で判断する。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
Special
PR