テムザック三洋は12月8日、インテリアオブジェとしてのデザイン性を併せ持つ新型留守番ロボット「T7-4 ロボリア」のプロトタイプを公開した。「番竜」が持つ留守番機能をベースにしながら、メカトロニクス部分を大幅に省略。その代わり、3色LEDとデザイン性で「インテリアとの調和」をアピールする。2005年夏から秋にかけての発売を目指す。
「深海のクラゲ」がモチーフという丸みを帯びたデザインは、イギリスのデザイナー集団「Me Company」が手がけたもの。内蔵LEDの光が漏れるよう半透明の素材を用い、フロアライトとしても使用できるようにした。内蔵LEDは赤(R)、緑(G)、青(B)の3色があり、ロボリアの状態(各種モード)やプログラムによって発光する仕組みだ。
正面には補助ライト付きの30万画素のカメラや人感センサーなどを装備。モーターと3つの車輪(前2輪駆動、後ろはキャスター)で室内を移動する。番竜のように段差を乗り越えることはできないが、前進・後退・左右の旋回といった動きが可能だ。
テムザック三洋の栖関泰宏社長は、従来の「番竜」が抱える問題点として「小型化」「コストダウン」「ユーザー在宅時の付加価値追求」を挙げた。4本脚の番竜は大柄で、高機能ゆえに価格も198万円と高価だ。“ペットモード”などの付加価値も取り入れてきたが、今回は小型&低価格化とともに“インテリアオブジェ”という新しい付加価値を求めるという。「安い買い物ではないロボットは、長く使ってもらうことも大事だ。ロボリアは、ロボットとインテリアを融合させ、さらなる付加価値を追求した新しい提案」(同氏)。
留守番機能は「番竜」に準じたもので、センサーが異常を捉えるとFOMAのテレビ電話回線を使ってユーザーに警告する。ユーザーは、携帯電話の画面でリアルタイム映像を確認しながら、ロボリアを遠隔操作できる。携帯電話接続時には、暗証番号や登録した電話番号以外は拒否するセキュリティも備えた。
またロボリアは、「番竜」にはなかったコミュニケーション機能も搭載している。ロボリアの映像出力とテレビを接続すると、外出中の相手とテレビ電話が可能になる。
プロトタイプのスペックは下記の通り。なお、バッテリー駆動時間は2時間程度となっているが、テムザックの高木陽一社長によると「番竜と同様、ずっと動き続けられる仕組みを検討中だ」という。
型番 | T7-4 ロボリア |
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走行 | 対向2輪型 |
走行速度 | 低速モード:140ミリメートル/秒 高速モード:190ミリメートル/秒 |
電源 | Ni-MHバッテリー、DC24V(駆動時間2時間) |
センサー | 人感センサーなど |
カメラ | 30万画素(CMOSまたはCCD) |
電飾 | 赤+青+緑 |
通信機能 | FOMA(64Kbpsテレビ電話回線) |
サイズ | 274(幅)×270(高さ)×259(奥行き)ミリ |
重量 | 3.25キログラム |
テムザック三洋では、一般の家庭を前提としたロボリアのモニター試験を2005年2月に実施する。その結果を踏まえたうえで量産モデルを設計し、来年夏〜秋頃には発売する計画。「価格設定の目安は30万円程度。28万円くらいに抑えられると思っている」(テムザック三洋の栖関社長)。
モニター募集は2005年1月から。応募方法などは近日中にWebサイトで公開する予定だ。
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