昨年の「CEATEC JAPAN 2004」や「A&Vフェスタ 2004」で一つのテーマとなっていたのが、ネットワークを介した家電の相互接続だ。とくにDLNAに見られるように、メーカーの垣根を越え、コンテンツの相互利用を可能にする環境が整いつつある。
しかし、製品レベルでみた場合、どこまで実用化に向けた動きがあるのだろうか。ラスベガスで開催中の「International CES 2005」から、家電ネットワークに関する展示をピックアップしてみた。
8日の記事で写真だけ紹介したが、松下電器産業ブースでは、「AVC Server」を展示している。“AVC Server”といえば、DIGA「DMR-E500H」のもとになったコンセプトモデルが思い浮かぶが、今回はHD映像の家庭内共有が可能になっている。
AVC Serverはまだ参考展示段階で、説明文には「DLNA」の文字も見あたらない。しかし、「内部的には、ほぼDLNA Interoperability Guidelines v1.0に準拠した造りとなっており、製品化に向けても、DLNAに対応する方向で企画を進めている」(同社)。
また、同社ブースでは、リビングルームのAV機器や個人のPCはもちろん、カーステレオまでもがホームネットワークの範囲に含まれている点がユニーク。IEEE 802.11a/b/gの無線を使い、ガレージにある車のカーステレオにコンテンツを送信することによって、逐一CDやDVDを車内に持ち込む手間を省くことができるという。
ソフトウェアは他社に採用事例の多いデジオンのDiXiMではなく、独自のものが利用されている。「ホームネットワーク対応DIGA(DIGA DMR-E500H)と完全に同じというわけではないが、基本的な部分は同じ」(同社)。
ケンウッドのブースでは、同社がA&Vフェスタに展示していたDLNAガイドライン1.0準拠のボードを実際に稼働させるデモを行っていた。CEATECでもこのボードを組み込んだメディアサーバによるデモが行われているが、より細かなリファインが施されている。
デモ機のようなユニットとしての製品化は検討されておらず、より回路の集積化などを進めた上で、モジュールとしての製品化を目指す方針だ。デモで使用されているボードでも100ドル程度で、モジュール化された際にはさらなる低価格化が見込めるという。
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