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設定“おまかせ”で防犯カメラシステムを構築してみたレビュー(2/5 ページ)

» 2005年01月26日 18時29分 公開
[芹澤隆徳,ITmedia]

 既にパソコンや無線ルータを所有していて、ペット監視のために時々宅内の画像を見たいという人は、単体カメラ「BL-C30」だけを追加すればいい。有線ネットワーク専用の「BL-C10」もあり、こちらは無線対応のBL-C30よりも実売1万円程度安く入手できるから、設置場所によって使い分けるとコストを安くできる。

photo アクセスポイントとカメラをセットにした「BL-C30K1」

 両機種とも基本機能はほぼ同じ。撮像素子は約32万画素のCMOSセンサーで、左右43度/上下32度のパン/ティルトが可能だ。また、温度変化によって人やペットの動きを検知する「人感センサー」により、検知した時とその前後の画像をメールやFTPで送信できる。カメラの使い勝手および他社製ルータとの接続については、BL-C10のレビューを参照してほしい。

 さて、「BL-C10」と「BL-C30」はUPnP対応のため、一般的なブロードバンドルータと組み合わせた時の設定作業も容易だ。しかし、松下製ルータの「BL-BR30」を使うときは、より簡単になる。

photo BL-BR30は縦置き、横置きの両方に対応。アンテナは可動式だ
photo 背面。有線ポートは4つ

 ポイントは、外からアクセスする際に必須となるポートフォワーディング(静的IPマスカレード)などの設定も自動化できること。VPNもサポートしており、外部からセキュアに自宅LANへアクセス可能(IPv4の場合はPPTP、IPv6はIPSec)。

 また、LAN内のパソコンから接続したときは、ルータが持つWebサーバ機能を使って最大16台までのカメラモニター画像(静止画)を一括表示できる。このあたりが「カメラコントロールユニット」と呼ばれる理由だ。

 ネットワークカメラを接続するときに使うのは、「カメラおまかせせってい」機能。わざわざ平仮名で表記するあたりがいかにも簡単そうだが、ホントに簡単だった。まず、カメラの背面にあるモード切替スイッチを「有線」に合わせ、有線ケーブルでルータのLAN側ポートに接続。電源を入れると、ルータ側がカメラを自動登録し、無線設定を自動転送する仕組みだ。手順はこれだけ。

photo カメラ背面。LANポートの周囲は少し窮屈。通常のLANケーブルでは曲げが苦しい

 このときやり取りする情報は、カメラ側のIPアドレスとサブネットマスク、無線LANのESSID、WEPキーなど。同時にルータ側ではカメラを自動登録し、ポートフォワーディングなどの設定も行ってくれる。

 ルータをインターネットに接続するときも、ブラウザで設定ページを開き、「かんたん設定」というウィザードでISPの情報(DHCPの有無など)を入力していくだけだ。どちらの自動設定機能も、本体の説明書とは別に用意されている1枚の「かんたんガイド」に沿って操作すればいい。図解を多用したわかりやすい説明で、ネットワークに関する知識が全くない人でも、迷うことはない。

photo 設定ページ

 また、インターネット経由で外部からカメラ画像を閲覧する設定にすると、設定終了時に、LAN内、インターネット、携帯電話からそれぞれカメラ画像を見るためのURLを表示してくれる。それぞれ自宅用のパソコン、持ち歩くノートパソコン、携帯電話にブックマークしておけばいいわけで、これも分かりやすい。

photo インターネット経由で外部からカメラ画像を閲覧する設定にすると、LAN内、インターネット、携帯電話からそれぞれカメラ画像を見るためのURLを表示してくれる
photo Webブラウザで表示したカメラ映像

 なお、自宅のインターネット接続サービスで固定IPアドレスを使えない場合(グローバルIPアドレスを動的に付与するタイプ)は、IPアドレスが変わったときにルータがメールでユーザーに通知してくれる機能を設定しておくと便利だ。それも面倒なときは、パナソニック コミュニケーションズが提供するDynamic DNSサービス「みえますねっと」を利用できる。IPアドレスが変更されたとき、ルータが「みえますねっと」サーバに通知するため、常に同じドメインで外部からアクセスできるようになる。

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