クリアケースに入れられたままの試作機展示レベルながら、日立製作所もハイブリッド型のBDレコーダーを展示している。デザインは現在発売されている「DV-DH400T」とよく似ているが、搭載されているのはBD-REドライブ。現時点では容量23Gバイト1層ドライブのようだが、発売時には25Gバイトフォーマットにも対応して20万円以下が目標と話していた。
すでに製品化時期についても検討を始めており、2006年前半になる見込みという。完成度は高く見えるが、BD-ROM 2.0対応になるとのことなので、ROM再生をサポートしていない、つまりパッケージコンテンツの再生を行えない製品を出荷したくないという考えなのかもしれない。
それはおそらく他のBlu-ray Disc Association(BDA)加盟ベンダーも同じだろう。このようにROM仕様策定の遅れが、結果的に先行派と慎重派の間にギャップを生むことになり、エアポケットに入ったように録画機が出せない状況にあるのかもしれない。
その背景には、やはりパッケージコンテンツが再生できないBDレコーダーを今のタイミングでは出したくないからだろう。BDレコーダーでパッケージのBDビデオが再生できないというのは、消費者の理解を得にくい。ROM再生サポートの問題が解決する来年の前半までは、どのメーカーも新製品を(全く出てこないとも言い切れないが)アナウンスしにくい状況にあることは間違いない。
特に新製品という話ではないが、展示会の性格が異なるせいか、CESではレコーダーやプレーヤーが主役だったが、CeBITではPC用途と絡めた提案型の展示が多い。
既報のソニーとともにPhilips ElectronicsとSamsung ElectronicsがPC向けのBDドライブを展示。Philipsはソニーと同じように、BD-REにHD映像を書き込み再生させるデモも見せた。映画などパッケージコンテンツのサポートスケジュールや対応製品の出荷時期がある程度固まってきたことで、それが可能になる1年後までに何ができるかを、各メーカーが本格的に模索し始めているという印象を持った。
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