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ホームシアターを楽しむための「AVアンプの選び方」劇場がある暮らし――Theater Style (4/4 ページ)

» 2005年04月02日 14時00分 公開
[本田雅一,ITmedia]
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ホームシアターセットからのステップアップ

 ホームシアターセットのAVアンプ機能を卒業して、音楽と映画を同じように楽しめるAVアンプを狙うならば、5万〜10万円程度の製品が狙い目だ。上記に挙げたようなHDMI端子や映像のアップコンバートなどとは無縁だが、今後もS/PDIF音声端子やコンポーネント(D端子)映像信号は使われていく。DVDやデジタルチューナーのハイビジョン番組を楽しむ上では、あまり不満は出てこないだろう。サラウンド音声フォーマットなどの進化も現在は一段落している。

 AVアンプは10万円以下のエントリークラス以外に、実売で15万〜20万円前後の中級機、40万〜60万円前後の上級機がある。スピーカーなども買い換え、本格的に音響システムを構築しようと思うならば中級機以上を勧めるが、そこまでこだわらないのであればエントリークラスでも十分なステップアップになるだろう。

 5万〜10万円となると、エントリーモデルの中では高価な製品となるが、売れ筋の価格帯だけあってコストパフォーマンスに優れた製品が多い。ただしエントリーモデルでも下のクラスになると、接続できる機器数が限られ、また電源など主要なコンポーネントのコストダウンが激しくなるため、音質面では十分な満足が得られないかもしれない。

 またこのクラスではTexas Instrumentsのデジタル増幅ICなどを用いたデジタルアンプを採用している製品も多い。デジタルアンプはある程度低価格で電源が貧弱でも、パワフルにスピーカーを駆動でき、透明感のある音が出る上、コンパクトに仕上がるというメリットがある。だが一方で、ノイズの抑制が難しく、振動に敏感といった弱みもある。全く音の方向が異なるため比較は難しいが、完成された技術であるアナログアンプにも良い面はある。

 デジタル/アナログといった方式にこだわるのではなく、結果としての質や、求める機能に応じて製品を選ぶことを心がければ、ニーズにピッタリ合ったAVアンプが見つかるはずだ。

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